業種ごとの税務調査

寺院・神社・宗教法人の税務調査【令和4事務年度の最新データ】

宗教法人と税務管理をイメージした概念図

寺院・神社・宗教法人などは非課税というイメージが強いため、税務調査の対象外と思われがちです。しかし国税庁の令和4事務年度の調査事績によると、全国の宗教法人1,975法人への源泉徴収調査のうち、7割超にあたる1,429法人で源泉徴収漏れが指摘され、追徴税額は約15億円に上っています。本記事では、宗教法人の税務調査の実態と見られるポイントを解説します。

そもそも寺社仏閣は税務調査の対象になるの?

寺院をはじめとした宗教法人=非課税(収益事業がない場合)のイメージが強いため、「納税がないのだから税務調査の対象外では?」と思いがちです。しかし寺院・神社・宗教法人も税務調査の対象となります。

宗教法人は収益事業を行わない場合、法人税の納税義務はありません。しかし源泉徴収義務者としての義務は収益事業の有無に関わらず発生するため、職員等への給与支払いがあれば源泉所得税の問題が生じます。この点が税務調査の主要な対象となっています。

寺院・宗教法人に対する税務調査の件数と傾向

令和4事務年度(令和4年7月〜令和5年6月)において、国税庁は全国の宗教法人1,975法人を対象に源泉徴収に関する調査を実施しました。その結果、1,429法人(約72.6%)で源泉徴収漏れが指摘され、追徴税額は約15億円に上りました(国税庁「令和4事務年度 法人税等の調査事績の概要」より)。

源泉徴収漏れの指摘率が7割超という高い比率は、宗教法人において源泉徴収に関する実務管理が行き届いていないケースの多さを示しています。

宗教法人1,975法人への源泉徴収調査のうち1,429法人で漏れが指摘された横棒グラフ
令和4事務年度(令和4年7月〜令和5年6月)の調査事績。追徴税額は約15億円

なお、法人税の実地調査(公益法人等全体)は平成26事務年度の868件から平成30事務年度の429件へと減少傾向にあります。一方、源泉徴収を中心とした調査は引き続き実施されており、法人税調査の頻度が低いからといって税務調査と無縁ではありません。最新の調査事績の詳細は国税庁のウェブサイトでご確認ください。

寺社仏閣 税務調査で見られるポイント

寺院・神社・宗教法人が税務調査でチェックされるポイントは大きく2つあります。

  1. 源泉所得税
  2. 宗教活動か収益事業か

指摘の多い 源泉所得税

布施、奉納金、会費、献金、賽銭、寄附金、雑収入等は宗教法人の収入として課税対象とならない収入です。しかし住職や宮司、職員に支払う給与や退職金は源泉所得税の対象となるため、宗教法人は源泉徴収義務者として源泉所得税を納付する必要があります。また、税理士などに支払った報酬等に対しても同様の義務があります。

◎支払以外に源泉徴収の対象となるケース例

  • 個人(住職・弟子・職員)の飲食代や生活費等を宗教法人として負担した場合は、負担額が給与と同等に扱われ源泉徴収の対象となります。
  • 弟子の学費を負担した場合は、負担額が給与と同等に扱われ源泉徴収の対象となります。

高額になりやすい 収益事業の申告漏れ

寺院・神社・宗教法人では課税対象となる収益事業が下記のとおり分類されています。

寺院・神社・宗教法人の収益事業

〇線引きの難しい物品販売業
お守りやお札、おみくじなど喜捨金と認められるものは収益事業の対象に該当しません。絵葉書や御朱印帳、キーホルダーなど通常販売されているものと大きな価格差なく販売されているものは物品販売業に該当し課税対象となります。

〇価格を通常より高く設定すれば喜捨金になるか?
2008年に宗教法人が「御利益のある水」0.9リットルを3,800円で販売し非課税として処理していたところ、国税局より収益事業に該当すると指摘を受けた事例があります。「御利益」を主張すれば課税対象でなくなるわけではありません。

過去には”あのお寺”も申告漏れの指摘を

2011年2月、京都の観光地として有名な金閣寺(鹿苑寺)・銀閣寺(慈照寺)を管理する住職が、掛軸を書いて得た収入を宗教法人へのお布施として処理し個人所得としなかったとして、3年間で約2億円の申告漏れを指摘されたことが報じられています。これは2011年当時の事例として記録されているものです。

税務調査 過去帳の開示には応じなければいけない?

寺院・神社・宗教法人の税務調査では、宗教法人としての非課税収入(布施、奉納金、会費、献金、賽銭、寄附金等)がきちんと計上されているかを重点的にチェックされます。その過程で、故人の逝去日から葬儀日を逆算して布施や奉納金が反映されているかを確認するため、調査官から過去帳の提出を求められる場合があります。

過去帳を提出しなければいけない法的根拠はありません。しかし実際には、その場の雰囲気に圧されて資料として提出してしまうケースが多いとされています。逆に意固地に拒んでも「何か隠しているのでは」と疑われることもあります。

過去帳は故人やその親族の個人情報、寺社仏閣への信頼の証でもあることから提出を拒む方も多くいます。提出を求められた際はその場では応じず、税務調査の対応に精通した税理士に相談のうえ、税務調査官との交渉を依頼することをおすすめします。

宗教法人が税務調査に備えるためのポイント

税務調査で指摘が多い源泉所得税と収益事業の申告漏れを防ぐために、日頃から以下の点を意識して帳簿・経理を整理しておくことが重要です。

確認事項内容注意点
給与・報酬の源泉徴収住職・職員・税理士等への支払に源泉徴収を適切に行い、納付する現物給与(飲食代・学費の負担等)も対象になる場合がある
収益事業の区分経理宗教活動と収益事業(物品販売・駐車場等)を帳簿上明確に区分する区分が不明確だと全収入が収益事業とみなされる可能性がある
帳簿・領収書の保存収入・支出の帳簿と証票類を7年間保存する税務調査時に帳簿がないと推計課税のリスクがある
過去帳・記録の管理葬儀日・布施の受入れ等の記録を整備する調査時に提出を求められた場合は税理士に相談のうえ対応を

よくある質問(FAQ)

Q. 収益事業を一切行っていない宗教法人も税務調査の対象になりますか?

はい。収益事業がなく法人税の納税義務がない場合でも、職員等に給与を支払っていれば源泉徴収義務者となるため、源泉所得税に関する調査は受ける可能性があります。令和4事務年度の調査では7割超の宗教法人で源泉徴収漏れが指摘されており、他人事ではありません。

Q. お守りやお札の販売は収益事業に該当しますか?

お守り・お札・おみくじなど喜捨金と認められるものは収益事業に該当しません。一方、絵葉書や御朱印帳、キーホルダーなど一般に市販されているものと同程度の価格で販売するものは物品販売業として課税対象になります。「御利益がある」という主張だけで非課税にはなりませんので、販売品目ごとに判断することが大切です。判断に迷う場合は税理士にご相談ください。

Q. 税務調査の通知が来たらどうすればよいですか?

税務調査の事前通知(原則として電話や書面)を受けたら、まず税務調査の対応に詳しい税理士に相談することをお勧めします。調査日程の調整や提出資料の準備など、税理士が立ち会ったうえで対応することで、余計なトラブルを避けることができます。帳簿・領収書・源泉徴収簿等の書類を事前に整理しておくことも重要です。詳しくは国税庁ホームページもご参照ください。

クリニック・病院・開業医・医療法人の税務調査【令和6年最新データ】

医療機関の税務調査対策を表すイラスト

クリニック・病院・医療法人・歯科医院・開業医と聞くと公的なビジネスの側面が強いため、税務調査とは無縁というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし実態は異なります。令和6事務年度(令和7年12月公表)の国税庁データでは、眼科医が1件当たり申告漏れ所得金額で全業種2位(3,894万円)に急浮上しており、医業は依然として税務調査のターゲットになりやすい職種です。

本記事では、医療機関が税務調査の対象となりやすい理由・最新の統計・調査で指摘を受けやすいポイント・事前の備えについて解説します。

ドクターにも税務調査は入る?

保険診療報酬を主体としている開業医・医療法人は税務調査と無縁なイメージがありますが、実は調査の対象となりやすい職種の1つです。

以前から医業は「1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」に繰り返し登場してきた経緯があります。たとえば平成24事務年度の国税庁統計では産婦人科医が1位、内科医が7位に入り、産婦人科医の1件当たり追徴税額は1,300万円にのぼりました。

令和5事務年度(令和6年11月公表)では医業は上位10業種圏外となり、1位は経営コンサルタント(1件当たり申告漏れ所得3,871万円)でした。しかし直近の令和6事務年度(令和7年12月公表)では眼科医が圏外から一気に全業種2位(1件当たり申告漏れ所得3,894万円)に浮上しています。1位はキャバクラ・スナックなどの接待飲食店(4,164万円)でした。医業の税務調査リスクは変わらず高水準にあると言えます。

令和6事務年度の上位3業種:1位接待飲食店等4,164万円、2位眼科医3,894万円、3位ホステス・ホスト2,968万円
眼科医が前年度圏外から一気に第2位に浮上。医業は引き続き税務調査の対象になりやすい業種です。

統計からみる開業医・医療法人の税務調査の変遷

国税庁が公開している統計によると、医業に対する調査は次のような推移をたどってきました。

  • 平成16事務年度(2004年):整形外科が2位にランクイン
  • 平成17事務年度(2005年):病院が1位にランクイン
  • 平成23事務年度(2011年):整形外科が5位
  • 平成24事務年度(2012年):産婦人科医が1位、内科医が7位(産婦人科医の1件当たり追徴1,300万円)
  • 令和5事務年度(令和6年11月公表):医業は10位圏外。1位は経営コンサルタント(3,871万円)
  • 令和6事務年度(令和7年12月公表):眼科医が全業種2位(3,894万円)に急浮上

医業は一定の周期でランキング上位に登場するパターンが続いています。また近年は国税庁がAIを活用した調査対象の選定を本格化させており、令和6事務年度の追徴税額総額は過去最高の1,431億円に達しています。調査精度が高まっているため、申告内容の不備が以前より発見されやすくなっている点に注意が必要です。

開業医・医療法人に税務調査が入る頻度は?

開業医・医療法人に対する調査件数は公開されていませんが、7〜10年に1度の確率で入るケースが多いとされています。全体の所得税の実調率が1〜3%前後であることを考えると、入りやすい部類といえます。

また、過去に税務調査で申告漏れ等の指摘があった場合には、より高い確率かつ短い期間で税務調査が入るケースが想定されます。前回の調査で指摘を受けている開業医・医療法人は、次回の調査に早期に備えるため税理士と事前に相談しておくことが大切です。

なお、近年はAI活用による調査対象の選定が進んでいるため、統計的な「周期」だけでなく、申告データの客観的な分析に基づいて対象が選定される傾向が強まっています。

開業医・医療法人はなぜ狙われるのか?

保険診療報酬が主な開業医・医療法人は比較的お金の流れがわかりやすい業種です。一方で、以下のような項目が申告漏れとして指摘されやすい傾向があります。

自由診療・保険外収入の申告漏れ

健康診断・美容治療・予防接種・人間ドックなどの自由診療は保険外収入となるため、保険診療報酬とは管理体系が異なります。現金での受け取りが多くなりやすく、申告漏れが発生しやすい項目として税務調査官から注目されています。

学会費・交際費の取り扱い

学会への参加や研究活動が多い医師・歯科医師は、交際費・旅費の取り扱いが指摘の多い箇所となっています。事業に関わる飲食費等については「誰と・何のために行ったか」を領収書等に記録しておくことが重要です。個人的な旅行や会食との区別が曖昧だと、税務調査で否認されるケースがあります。

医療器具・サプリメント等の物販(OTC)

院内で医療器具やサプリメントの物販(OTC)を行っている場合も申告漏れに注意が必要です。物販収入は診療報酬とは別の売上として適切に計上する必要があります。

個人的な費用の経費計上

課税所得が高い開業医・医療法人では、個人的な費用(旅行・衣服・自宅関連費用など)を事業経費に計上してしまうケースが見受けられます。「業務に必要である」ことを合理的に説明できる記録・証拠を残しておくことが大切です。

税務調査に備えて何をすれば良いか

日頃の会計記録と申告内容の適切な管理が最も効果的な対策です。特に意識しておきたいポイントを整理します。

  • 保険診療と自由診療の収入を明確に区分して記録する(現金収入の日次管理を徹底)
  • 交際費・学会費・旅費の目的・参加者を記録する(日時・場所・出席者・目的をメモ)
  • 個人的費用と業務費用の按分基準を明確にしておく(自宅兼院・車両など)
  • インボイス制度(適格請求書発行事業者の登録)への対応状況を確認する(2023年10月施行。仕入税額控除の可否が調査で問われるケースが増加)
  • 帳簿・領収書等の証拠書類を7年間保存する(重大な不正が疑われる場合は最大7年遡及調査される)

準備する間もなく税務調査の連絡が来てしまった場合には、税務調査に詳しい税理士に早めに相談し、対応策を検討することが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 税務調査の事前通知はありますか?何日前に連絡が来ますか?

原則として、税務調査は電話等で事前通知が行われます。一般的に調査日の1〜2週間前に連絡が来るケースが多いとされています。通知では、調査日程・調査対象年度・担当調査官の氏名などが伝えられます。

なお、不正が強く疑われる場合や証拠隠滅のおそれがある場合には、事前通知なしの「無予告調査」が実施されることもあります(国税通則法第74条の10の規定による例外)。

Q2. 調査官から電話が来たら、日程を変更することはできますか?

正当な理由があれば日程変更の申し出は可能です。税理士の同席準備のため・帳簿整理のための合理的な期間として、1〜2週間程度の変更は認められるケースが多いです。

ただし、変更を繰り返すと調査妨害とみなされる場合がありますので、顧問税理士と相談のうえ誠実に対応することが重要です。

Q3. 申告漏れを指摘された場合、どのようなペナルティがかかりますか?

申告漏れが認められた場合には、不足税額(本税)に加えて、次のペナルティが課される可能性があります。

  • 過少申告加算税:不足税額の10〜15%(調査前に自発的に修正申告した場合は不適用)
  • 重加算税:隠蔽・仮装が認められた場合、不足税額の35〜40%(過少申告35%・無申告40%)
  • 延滞税:納付すべき税額に対して年利で課される(税率は年により変動。最新情報は国税庁サイトでご確認ください)

重加算税や延滞税が重なると追徴税額が大幅に増加します。申告内容に不安がある場合には、早めに税務調査対策の専門家(税理士)に相談されることをお勧めします。

サラリーマンにも税務調査は入る?副業・ネット収入の申告漏れに注意

サラリーマンの副業と税務調査を表すイラスト
お勤めの方は会社が毎月のお給料から所得税・住民税を源泉徴収し納めているので確定申告の必要はありません。住宅ローン控除の手続きが必要なマイホーム購入や相続など特別な事がない限りサラリーマンが税務調査の対象となる事は基本的にはありません。   それでは法人・個人事業主ではないサラリーマンは税務調査と無縁なのでしょうか?実はサラリーマンや主婦の方も税務調査の対象となる場合があります。 更に近年は副業収入を無申告にしているサラリーマンへの税務調査が急増しています。  

サラリーマンは『副業』で調査が入る

サラリーマンに税務調査の入る大きな要因は『副業・サブビジネス』です。   2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定(2022年7月に改定)した事で大手企業やベンチャー企業でも副業が公に解禁される流れが本格化し、スキルを活かした副業で申告が必要な所得を得ているケースが急増しています。   株式会社リクルートキャリア(現:株式会社リクルート)が2019年に副業・兼業を認めている企業を対象に行った「兼業・副業に対する個人の意識調査」では約4割の従業員が副業・兼業を行っているまたは行ったことがあると回答していました。その後も副業人口は増加傾向が続いており、副業の普及とともに税務調査の対象となるサラリーマンは今後さらに増加していく事が予想されます。 サラリーマンの副業経験  

暗号資産・ネットオークション・シェアリングエコノミーも申告が必要

近年は『副業(収入)』の認識がないまま(あるいは意識的に)収入を得ており無申告となっているケースが増加しています。 暗号資産(仮想通貨)の取引:ビットコインをはじめとした各種暗号資産の売買・スワップ・ステーキング等で生じた利益は原則として雑所得となり、確定申告が必要です。国税庁は暗号資産取引への調査を継続して強化しており、令和5事務年度では1件当たりの追徴税額が662万円と、所得税調査全体の平均(224万円)の約3倍に達しています。 ネットオークション・フリマアプリでの販売収益:1回ごとの取引利益は少ない場合が多いですが、日常的に出品している場合や引越しなどにより一度に大量の取引を行った場合には総額がふくらみ確定申告の対象となる場合があります。 動画・コンテンツ配信・シェアリングエコノミー:動画投稿の広告収益、民泊・カーシェアなどのシェアリングサービスによる収益、ライバー・インフルエンサー収益なども申告対象となる所得です。  

副業で申告が必要になる条件は?いくらから?

サラリーマンの副業で申告が必要となる条件は副業の種類により異なります。  

副業の種類がパート・アルバイトの場合

1月1日から12月31日までの期間の『収入』が20万円以上になる場合は確定申告が必要。  

副業の種類が暗号資産・ネットオークション等の場合

1月1日から12月31日までの期間の『所得』が20万円以上になる場合は確定申告が必要。 ※所得は売上、売却益から仕入れ原価、経費等を差し引いた金額となります。  

副業の無申告。なぜバレる!?

副業で得た収入を申告しなかった場合、どのようにして税務署にばれてしまうのでしょうか?代表的なものを挙げてみました。  
  • 副業収入の支払先から税務署に提出された支払調書により発覚
  • 取引先や暗号資産取引所などに調査が入り芋づる式に発覚
  • 給与収入の金額に対して不釣り合いな金額の家や車を購入し発覚
  • 税務署へ第三者が情報提供(タレコミ)され発覚
  • サイバー税務署(情報技術専門官)によるオンライン取引の追跡で発覚
  上記が主に税務署にばれてしまう原因となるようです。「心当たりはあるが税務署から連絡は来ていないから私はセーフ」と思われた方もご注意ください。 税務調査は申告を行わなかった直後の年度に来るわけではありません。   追徴課税は最大7年に遡って請求できるため3~5年経ってから突然電話がくる!というケースが多いようです。  

副業のネット収入・インターネット取引の無申告は危険

国税庁は毎年、ネット取引を行っている個人に対する調査結果を公表しています。令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(2024年11月公表)によると、シェアリングエコノミー等新分野のインターネット取引に係る調査では1,226件の実地調査が行われ、1件当たりの申告漏れ所得金額は1,432万円、追徴税額は319万円に達しています。
令和5事務年度のインターネット取引調査件数内訳グラフ:ネット通販等587件、その他281件、デジタルコンテンツ140件、シェアリングビジネス130件、ネット広告88件
合計1,226件。1件当たりの申告漏れ所得金額は1,432万円、追徴税額は319万円。
取引区分別の内訳を見るとネット通販等が587件と最多で、デジタルコンテンツ140件、シェアリングビジネス130件、ネット広告88件などが続きます。また、暗号資産取引の1件当たり追徴税額は662万円と特に高額です。 所得税調査全体(簡易な接触を含む)の申告漏れ所得金額の総額は9,964億円(過去最高)、追徴税額は1,398億円(過去最高)を記録しています。 「金額が少ないからバレない」「副業収入だからわからないだろう」は通用しません。国税庁はAIを活用したデータ解析やKSKシステム(国税総合管理システム)を駆使し、副業収入・暗号資産取引の申告漏れを効率的に把握する体制を強化しています。 申告をしていなかったという方はまずは税理士に相談してください。すでに確定申告についての連絡、税務調査の連絡が来てしまったという場合は税務調査専門の税理士に相談することをおすすめします。  

FAQ:サラリーマンの副業と税務調査に関するよくある質問

Q1:副業の所得が20万円未満なら何もしなくてよいですか?

所得税の確定申告は不要ですが、住民税については金額にかかわらず申告が必要です(お住まいの自治体への住民税申告)。また、20万円未満であっても医療費控除などのために確定申告を行う場合は、副業収入も含めて申告しなければなりません。

Q2:会社に知られずに副業の申告ができますか?

確定申告書の「給与・退職所得以外の住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、副業分の住民税を会社経由ではなく自分で納付できます。ただし、会社の就業規則で副業が禁止されている場合の取り扱いは別途ご確認ください。

Q3:税務調査が来るとしたらいつ頃ですか?

申告しなかった直後の年度に来るわけではありません。追徴課税は最大7年遡って請求できるため、3〜5年経ってから突然連絡が来るケースも多くあります。「まだ来ないから大丈夫」と安心せず、心当たりがある方は早めに税理士へご相談ください。

 

税務調査に強いおすすめ税理士事務所リスト【東京編】

 

飲食店・居酒屋の税務調査|流れ・追徴課税・備えを専門家が解説

飲食店の帳簿付けと税務調査への備えのイメージ
経済産業省が2020年に公表した飲食関連産業の動向によると、全国の飲食店は約50万店あまり存在し、店舗数が多いイメージのコンビニ、美容室・理容室と比較しても圧倒的に多くの店舗数が存在しています。 従業員数で見ても、飲食業で勤務する方々は全国で360万人を超え、全就業者の5%が携わっている計算となります。 PayPayなど各種キャッシュレス決済が広く普及した現在でも、飲食店は現金取引の比率が高い業種であり、税務署が売上の計上漏れに目を光らせやすい業種であることに変わりはありません。   日本全国の飲食店の店舗数  

飲食店の半数近くで税務調査で問題は見つかる?

国税庁が公表した令和6事務年度 法人税等の調査事績の概要(2025年12月公表)によると、法人税・消費税の実地調査は約5万4千件実施され、実地調査による追徴税額の総額は3,407億円と過去10年で最も高い水準となっています。 業種別に見ると、直近の令和5事務年度の法人税調査で不正発見割合が最も高かったのは「バー・クラブ」の59.0%で、次いで「その他の飲食」42.3%、「外国料理」38.8%と、飲食関連の業種が上位を占めています。調査に入られた飲食店の2〜3店舗に1店舗以上の割合で不正が見つかっている計算であり、税務調査の結果として不正が多いとされる業種であることは今も変わりません。
法人税の不正発見割合が高い業種の上位3業種。バー・クラブ59.0%、その他の飲食42.3%、外国料理38.8%
飲食関連の業種が不正発見割合の上位を占めています
また、法人の実地調査1件当たりの追徴税額は平均550万円(令和5事務年度)と高額になっており、調査で否認を受けると100万円単位の支出となることが十分に想定されます。  

飲食店の税務調査の流れ

一般的な税務調査は、税務署から納税者本人や顧問税理士に事前通知の連絡が入るケースが多いですが、事前連絡なしで「事前調査」や「現物確認調査」(現況調査)が行われるケースがあります。 これは調査上必要な場合は事前連絡せずに調査を行う権限を税務署が持っているためです。 飲食業は現金商売という性質上、売り上げを申告しないなどの悪質なケースもあり、事前連絡せずに調査に入るケースも他の業種と比較すると多いようです。

事前調査

事前調査は店舗に客として調査官が来店し店舗の運営状況を確認するものです。店舗の外から客の入りなどの確認を行ったり、実際に店舗に客として来店し、座席数、回転数、客の入り具合、伝票の記載有無・レジの入力有無などを確認します。 また、自身が注文した料理や金額を記録し、後日の現物確認調査で店舗が保管する伝票と突合できる準備をしたりします。

現物確認調査(現況調査)

税務署の調査員が午前中に突然来店し、帳簿などの資料の閲覧を求めてきます。突然、税務署の調査員が来たらパニックになってしまいそうですが、税理士の立ち合いが困難であったり、営業に支障がある場合には日を改めたい旨を伝えるなどの対応を行うほうがよいでしょう。 仮にこの時点で顧問税理士との契約がない場合には、「営業上の支障」などを理由に現物確認調査の日程調整をその場で依頼し、すぐに税務調査対応のための税理士選びを行うべきでしょう。  

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どのくらいの期間・何年分(いつから)の調査が行われるか?

税務調査の期間は最大5年分が行われると考えてください。これは国税通則法第70条で、過去5年間の確定申告が更正の対象であることを明示しているためです。 なお、税務調査の結果、偽りその他不正の行為(いわゆる脱税)が認められた場合には、調査期間は7年にまで遡ることとなっています。 また帳簿、領収書などの各種資料には原則として7年間の保管義務があります(青色申告法人で欠損金の繰越控除を受ける場合などは10年間の保存が必要です)。 国税通則法第70条  

売上げごまかし・売上げ抜きはバレる?

事前調査で調査官が支払った伝票が保管されていなかった、同業種の他店舗と比較して売上原価率が高い、キャッシュレス決済比率が高い、おしぼり、割り箸の仕入れ数と売上伝票数が合わないなど、売上げをごまかしていることを発見する手段はいくらでもあるため、完全に隠すことは難しいでしょう。国税庁の調査事績でも、実地調査を受けた法人の7割超で何らかの非違(申告内容の誤り)が指摘されており、是認(問題なし)で調査が終わるケースは少数派です。

レジなしの注意点/伝票

帳簿などの各種エビデンスは7年間の保管が義務付けられています。レジを利用しておらず、紙伝票で処理をしている場合、その紙伝票自体を7年間保管する必要があるので、膨大な量となります。 税務調査の際に、「3年前の7月の伝票を見せてください」といわれたら、売上伝票の金額と一致する紙伝票、1か月分をスムーズに提出しなければなりません。 いかに売上げを管理しているかという管理手法自体が調査されると考えましょう。

万が一に想定される追徴課税

税務調査の結果、提出していた確定申告書が否認、もしくは未申告であった場合の追徴課税としては下記の種類があります(割合は2026年6月時点の現行制度です)。
種類 内容 追徴課税額
過少申告加算税 申告した税額が本来より少なかった場合のペナルティ 10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)
無申告加算税 確定申告の期限後に申告した場合のペナルティ 15%(50万円超300万円以下の部分は20%、300万円超の部分は30%)
重加算税 事実隠蔽、仮装に対するペナルティ 35%(無申告の場合は40%)
不納付加算税 源泉徴収による所得税の納付が期限までにされなかった場合のペナルティ 10%(自主的に納付した場合は5%)
上記以外にも、納付が遅れた日数に応じて延滞税が加算されます。延滞税の割合は市中金利に合わせて毎年見直されており、令和8年(2026年)は納期限の翌日から2か月以内が年2.8%、2か月を超えた部分は年9.1%です(最新の割合は国税庁サイトでご確認ください)。修正申告の対象期間が長期間に渡ると、加算税と延滞税を合わせた負担が本来の税額に対して大きく膨らむケースもあります。  

コロナ禍の各種補助金・給付金の税務処理

コロナ禍では飲食店向けに多くの補助金、給付金が導入されました。持続化給付金や家賃支援給付金の申請受付はすでに終了していますが、家賃支援給付金、持続化給付金、休業要請に対する給付金(東京都感染拡大防止協力金)、持続化補助金、雇用調整助成金などはいずれも課税対象です。 これらを受給した年度の収入として計上していないと、後日の税務調査で申告漏れを指摘される典型的なパターンとなっています。過去に受給したまま申告できていないことに気づいた場合は、調査の連絡を待たずに早めの修正申告を検討しましょう。  

飲食店の税務調査に関するよくある質問

Q. 税務署から調査の連絡が来たら、まず何をすればよいですか?

慌てて書類を作り直したりせず、まず調査の日時・対象期間・対象税目を確認し、顧問税理士(いない場合は税務調査対応に強い税理士)に連絡しましょう。事情があれば日程の調整を相談することもできます。直前に取り繕うことよりも、帳簿・伝票・領収書を整理して、事実をきちんと説明できるようにしておくことが大切です。

Q. 調査の連絡が来る前に自主的に修正申告すると、ペナルティは軽くなりますか?

はい。調査通知前に自主的に修正申告をした場合、過少申告加算税はかかりません。期限後申告となる場合の無申告加算税も、調査通知前の自主的な申告であれば5%に軽減されます。申告漏れに気づいたら、早めに対応するほど負担は小さくなります。

Q. 現金商売だと必ず税務調査が来るのですか?

必ず来るとは限りません。ただし、飲食店は不正発見割合が高い業種として調査先に選ばれやすい傾向があるのは事実です。日頃から売上を漏れなく記帳し、伝票やレジデータをきちんと保存しておくことが、税務調査への一番の備えになります。  

税務調査に強いおすすめ税理士事務所リスト【東京編】

 

保険代理店の税務調査

保険のイメージ画像今回は金融庁の免許が必要な保険会社(通称「メーカー」)ではなく、主に保険の販売を保険代理業の税務調査の傾向と対策についてお話しします。

保険代理業の業務は, 自己が代理人契約を結んでいる保険会社が開発した商品を、加入者の開拓し販売して、保険の各種サービスを提供することによって販売手数料を受取るものです。

会計税務上は売上が手数料収入だけで一見単純なようですが、扱う商品が多種にわたり、色々なキャンペーンもあり複雑化しています。

税務調査では、大きく4つが論点となりやすいです。

収益の計上時期と計上額

手数料収入の適正計上時期と適正額が調査されます。

収益計上時期は、保険代理店が保険契約者から保険契約書を受領し、これを保険会社に取り次いで、はじめて保険会社と被保険者、保険契約者との契約が成立することとなるわけです。つまり、

保険契約の開始日=保険契約が成立日=収益計上時

となります。

手数料収入の額は、大部分は集金した保険料から毎月精算入金されるため、収入の期問帰属は他の業種に比べて明確です。

保険手数料収入のもとになる保険料の受取日は, 保険会社の保険金支払義務の発生日となります。

保険会社の手数料明細に基づき, 預金通帳の入金を確かめ, 売上計上の網羅性と期間帰属の妥当性を確認します。

架空人件費

保険代理店は、小規模なものが多く、 手数料収入に占める人件費の割合が高くなります。そのため税務調査では組織図、履歴書、給与台帳、営業日報等により 人員の存在を確認し架空人件費の計上をチェックします。

紹介料・リベート

保険代理業で最も注意しなければならないのは紹介料・リベートです。

保険代理業では、保険加入の紹介者に対する謝礼を現金または金品等により行うことがあります。

現金支払いの場合には、厳しい反面調査が実施されて架空交際費・外注費とされる可能性があります。

また、個人に対する紹介料は原則として交際費となり、中小企業の800万円の定額控除を超える可能性があります。

定額控除を超えると、超えた紹介料は費用にすることができません。

ただし、相手が個人であっても以下の3つの条件を満たせば情報紹介料として費用にすることができます。

  1. 紹介料が予め締結された契約に基づき支払われたものであること
  2. 紹介料を受けるための条件が契約で具体的に明らかにされていること
  3. 紹介料の額が対価として相当な金額であること

この場合は、税務調査においては紹介者との契約書の有無と内容が重要なポイントとなってきます。

予め専門の税理士に契約書をチェックしておかれることをお勧めします。

また、保険料は保険会社の料率が定まっているので値引きは禁止されています。

しかし、現実には値引きや大口契約によるリベートの支払を要求される場合もあります。

代理店の発行する保険契約者への保険会社名の領収証は、値引きしていても正規の保険料が記載されており,相手方が申告をせずに裏リベートとなりやすく、 この点が重点的に税務調査されます。

リベートの相手先を明かせない場合には、使途秘匿金課税されないように、予め役員報酬の支払いの中から紹介料を払うことも方法の1つとなります。

地代家賃

保険代理業で発生する経費として大きいのは支払家賃です。比較的小規模な保険代理店は自宅を店舗にしているケースがあります。その場合には、事務所利用面積から家賃の金額が適正かどうか確認されます。

一般的には、自宅の見取図を基に事業として専属で使用する面積割合を求めた資料を準備しておくと税務調査はスムーズに行われます。

 

税務調査に強いおすすめ税理士事務所リスト【東京編】

 

 

建設業・土木工事業の税務調査 頻度や指摘されるポイントは!?

建設業・土木工事業の税務調査、入る頻度や確率は?

建設業は飲食業と並んで税務調査の入りやすい業種といえます。国税庁が発表している平成29年度法人税等の調査事績の概要では不正割合の高い10業種中3業種が建設・土木関係の業種になります

税務調査で発見された不正所得金額も上位10業種総額の1/3を占めており、毎年の税務調査で上位に上る業種となっています。

そのため、税務調査が入る頻度も一般の業種よりも高く5年から10年の期間で調査が入るケースが多いようです。

取引先や元受け、下請けに調査が入ることにより芋づる式に調査が広がっていく事があるのも建設業、土木業の特徴です。

業界の特徴として一人親方や家族経営が多くどんぶり勘定の会計処理を行っているケースが多いため税務調査により多くの不正所得を指摘され加算税が高額になるケースが多いようです。

 

なぜ建設業・土木工事業は税務調査が多いのか?

建設業・土木工事業は業界全体で申告漏れや過少申告等の不正が多いため、毎年税務調査の対象になりやすい傾向があります。

特に指摘されるポイントとして下記の3点が挙げられます。

  1. 期ズレによる売上計上漏れ
  2. 受注謝礼金(キックバック)の支払いと交際費
  3. 人件費の現金支給や架空人件費

また、設立から5年程経過して売上が伸びている会社も対象となりやすいので売り上げを伸ばすだけでなく正確な会計が行えているかを事前に確認する事が重要となります。

 

建設業の売上の期ズレは税務調査でどうなる?

建設業・土木業は売上の繰り延べ(期ズレ)の指摘が非常に多い業界と言われています。

理由としては意図的に売上を来期に先延ばしをしようとする他、発注元の都合などにより成果物(建物や施工の完了)の引渡しから代価(工事代金)の請求・支払いまでに期間が空く事が多く計上が煩雑になりやすい事が挙げられます。特に期末直前に完了した工事で請求が翌期となった場合には請求時期ベースで翌期の売上に計上しがちですが、工事の完了が当期中の場合には当期に計上する必要があります。

意図していなかった場合でも加算税の対象となってしまう場合があるので、「引渡しが完了した時点で計上」の会計ルールにのっとり処理することが望ましいです。

建設業・土木工事業の売上げズレ、繰越

 

建設業・土木工業界の常識、受注謝礼金(キックバック)は?

建設業・土木工事業は他業種にはない諸経費が掛かる業種です。工事受注にあたって発注元に支払う謝礼金や地元有権者に工事遂行の仲立ちを依頼するための地元対策費。談合で受注のために入札順の調整を図った場合に暗黙のルールとして支払う「降り賃」など多岐にわたります。

これらの費用を「交際費」として支払うことは税法上問題になるケースはあまりありません。

しかし交際費では一定額以上が経費とならないため「業務委託費」「支払手数料」の科目で経費として処理し調査の際に「科目仮装や「使途秘匿の指摘を受け重加算税が課されるケースが多い。

税務調査官として指摘のしやすいポイントであり決して業界内で言われる「バレない方法」ではないためご注意いただきたい。

 

現金支給に注意!架空人件費はアウト!

建設業・土木業は人の出入りも激しく日払い雇用や現金支給も珍しくない業界です。

特に一人親方の場合は現金支給で作業員を雇うケースが少なくありません。この際に振込であれば問題ないのですが現金支給かつ支払を証明できる領収書等がない場合には税務調査が入った際に外注費として支払った事を立証できないため不利な判断となります。

日払い雇用であっても振込で対応するか領収書をきちんと保管しておくなど、備えを怠らない事が重要になってきます。

また過去に在籍していた従業員に給与を支払ったように見せかけ、実際の賃金は交際費等にあてる架空人件費。実務に従事している従業員を外注先の扱いにする事で賃金を「給与」でなく「外注費」として支払い源泉所得税や消費税を減らすスキームも建設業・土木業ではまだ多く見受けられます。

こうした点も税務調査ではチェックの対象となり悪質と判断される事もあるため、安易に架空人件費や架空外注を行うと経営に大きな打撃を与えることになります。思い当たる節がある場合には税務調査対策に強い税理士などに相談し修正申告などの対策を講じる事でダメージを最小限にできる場合があります。

 

 

税務調査に強いおすすめ税理士事務所リスト【東京編】

 

自営業/個人事業主/フリーランスの税務調査

中小企業白書によると自営業/個人事業主/フリーランスは全国に約200万人いるとされています。

全国の勤労者は5,500万人とされており、100人に4名程度が自営業/個人事業主/フリーランスとして働いている計算です。

自営業/個人事業主/フリーランスでは全体の半数以上の方が雇用者なしで事業をされており、税務調査とは無縁だと思われている方も多いと思います。

しかし、自営業/個人事業主/フリーランスだからと言って、税務調査が無いわけではありません。税務署が追加で税金を取れると判断すれば税務調査の依頼がくると考えたほうがいいでしょう。

本ページでは自営業/個人事業主/フリーランスの方に向けた税務調査の情報をまとめています。

個人事業主の人数

 

 

青色・白色申告について

自営業/個人事業主/フリーランスの方が確定申告をする場合には青色申告もしくは白色申告をする必要があります。それぞれのメリット・デメリットがあるので、比較表で違いを確認してみましょう。

青色申告 白色申告
申請手続き 事業開始後2ヶ月以内に税務署に申請をする必要がある 不要
記帳 複式簿記で帳簿を揃える必要がある 現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳
メリット ・青色特別控除(65万円)が活用できる
・専従者の給料の全額は経費として計上できる
・赤字の繰越ができる
複式簿記の知識無く確定申告が可能
デメリット 複式簿記の知識が必要(税理士への依頼が無難) ・青色特別控除(65万円)がない
・専従者の給料の全額は経費として計上できない
・赤字の繰越ができない

 

白色申告の推定課税に要注意!

推定課税は売上、所得、経費などの詳細が分からない場合に「近隣の同規模同業者の差益率(仕入金額に対する収入金額の比率)」や、「水道光熱費やその他事業に必要な経費の金額」から売上、所得は推定し課税することをいい、帳簿の信憑性、保管状態が悪い場合に、税務署が税額の計算を推定で行うことをいい、白色申告の必要帳簿が青色申告と比較すると簡易的なものであるが故に発生するリスクとなります。

自営業/個人事業主/フリーランスを長期間続ける場合には青色申告に向かっていったほうがメリットがあると言って良いでしょう。

 

 

売上900万円前後は要注意

売上900万円前後の自営業/個人事業主/フリーランスは税務調査に注意が必要といわれています。これは消費税の納税義務が売上1,000万円以上となっているからです。1,000万円以下であれば免税事業者となり売上げの中に含まれている預かっている消費税が丸々利益になることになります(正確には経費に課税されている消費税分は支払いをすることになります)

このため売上900万円が何年も続いている場合、税務署から見ると売上げをごまかしていないかと懸念を持つのも仕方ないのかもしれません。

 

何年分(いつから)の調査が行われるか?

税務調査は過去3年分の調査が行われます。この3年の調査で確定申告の無いように大きな間違いが見つかると5年に、さらに金額の大きな申告ミス、脱税などが発覚すると7年まで遡って税務調査が行われます。

国税通則法の第70条によると、すべての税金について税務調査で遡及できる年数は5年と定められており、よっぽど悪質でないと7年の調査が行われることは稀です。

税務調査を行う税務署の署員も追徴課税という「成果」を得るために税務調査を行っていますので、意味が無く5年、7年と調査範囲を広げることはありません。

 

自営業/個人事業主/フリーランスの税務調査の実態

個人宅の調査は行われるか

自宅兼事務所でお仕事をされている場合などさまざまなケースがあると思われますが、税務署が必要と判断する重要な嫌疑が無い限り、プライベートスペースである個人宅への調査はないでしょう。しかし、事務所として100%の経費計上をしている場所で生活をしていればそれは税務上の業務スペースとなるので立ち入りとなる可能性は極めて高いでしょう

万が一に想定される追徴課税

税務調査の結果、確定申告の無いように問題がなければ「是認」となるわけですが、これは極めて稀で多くの場合には追徴課税が発生します。売上げや確定申告の内容により追徴課税の金額は変わってきますが、申告漏れ所得税の平均額は約810万円、追徴課税額の平均額は約206万円とされています。えっ、そんなに?と思われるかもしれませんが、これはさまざまな業種(医師などの高額所得者を含む)を含んだものであることを強調しておきたいと思います。

なお、修正申告が必要となった場合には延滞税が必要でありその年率は8.9%にもなります。仮に5年前の確定申告について延滞税が付けばそれだけで納税額が1.5倍にもなってしまいます。

 

個人口座・通帳はどこまで提出する必要があるか・調査されるか

特に事業用と個人用とをごっちゃとしている場合には確実に提出を求められると考えてよいでしょう。完全に分けている場合には提出する必要はありません。

 

顧問税理士がついていないの税務調査に入られやすい?

結論から言うと顧問税理士の契約がないことは税務調査に入られやすい1つの要因と考えてよいでしょう。税務署の署員も税務調査で追徴課税という成果を上げることを目的としていますので、税理士が付いていない個人事業主の方が突っ込みどころがあると考えます。

事業規模が大きいなど税務調査の影響範囲が大きい場合には、実際に税務調査の依頼が税務署からあった後からでも遅くなりません税理士に立会いなどの依頼したほうがよいでしょう。

 

税務調査に強い税理士の比較表はこちら

 

個人事業主・自営業のイメージ画像