税務調査対策のミカタ!税理士とは|立会い・書面添付と選び方

税務調査に税理士を入れるいちばんの意味は、納税者の代理人として調査官と直接やり取りできる「税務代理」にあります。これは税理士だけに認められた業務で、調査の場で税法にもとづいた説明や反論ができるかどうかが、そのまま結果に影響します。

さらに、申告書に税理士の書面を添付していれば、調査の通知が届く前に税理士が意見を述べる機会が設けられます。「連絡が来たけれど何をすればよいか分からない」という段階でも、打てる手はまだ残っています。

税理士に任せれば税務調査がラクになる

税理士というと、税務・会計に厳しい先生というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし税務調査の場面では、納税者の立場に立って会社を守ってくれる心強い存在にもなります。

それはなぜか、また、どのような税理士を選べば税務調査で安心できるのか。ひとつずつ見ていきましょう。

税理士に依頼するメリット

税理士の仕事には、よく知られている税務書類の作成や税務相談のほかに、税務代理という重要な役割があります。

国税庁の説明によれば、税務代理とは「税務官公署に対する申告等につき、又は、税務官公署の調査等に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理・代行すること」を指します。税務署への申告を代行するだけでなく、調査の場で納税者に代わって主張・陳述できるのが税務代理です。

そして税理士でない人が税理士業務を行うことは、税理士法52条で禁じられています(国税庁「税理士制度のQ&A」)。税務調査への立会いと交渉は、資格を持つ税理士にしか任せられません。

場面 税理士に任せられること 根拠
調査の前 事前通知の内容を代わりに受ける/書面添付があれば調査通知前に意見を述べる 税理士法30条・33条の2・35条1項
調査の当日 納税者の代理人として立ち会い、調査官に主張・陳述する 税理士法2条1項1号(税務代理)
調査のあと 指摘内容の検討、修正申告の要否の判断、不服申立ての代理 税理士法2条・52条

税務調査に慣れていない方が一人で対応しても、調査官が納得する説明・反論は難しいものです。税理士に依頼すれば税法にもとづいて的確に対応できるため、不要な追徴課税を避けやすくなります。

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書面添付があれば、調査の前に税理士が意見を述べられる

あまり知られていませんが、税理士には「書面添付制度」という権利があります。税理士法33条の2の書面(計算事項等記載書面)を申告書に添付しておく仕組みです。

この書面が付いた申告書について税務署が実地調査をしようとするときは、納税者に日時・場所を通知する前に、税務代理をしている税理士へ意見を述べる機会を与えなければならないとされています(税理士法35条1項)。

国税庁は、この意見聴取の段階で疑義が解消し、調査の必要がないと認められた場合には、事務所等へ臨場して行う帳簿書類の調査に至らないこともあり得ると説明しています。ただし、調査の省略を前提にした制度ではない点には注意が必要です。

もう一つ実務上大きいのが、加算税の扱いです。国税庁は、意見聴取における質疑等のみに基因して修正申告書を提出した場合、それが調査通知前であれば加算税は賦課されないとしています。日ごろから書面添付に対応している事務所を選ぶ意味は、ここにもあります。

なお、事前通知が行われない調査(国税通則法74条の10)では、調査通知前の意見聴取も行われません。また意見聴取は税理士に対して行われるもので、納税者が同席するものではありません。

税務調査に強い税理士の選び方

税理士であれば誰でも税務調査に立ち会えますが、調査の結果は税理士によって変わることがあります。すべての税理士が税務調査に精通しているわけではなく、経験や交渉力に差があるためです。

見分けるには、まず事務所の公式ページで業務内容や経歴を確認しましょう。税務調査対応を専門にしている、税務訴訟の補佐人の経験がある、以前は国税局・税務署の調査官だった、といった実績のある税理士は、対応スキルが高いと期待できます。

あわせて、書面添付制度に対応しているかも確認しておきたい点です。前述のとおり、添付書面があると調査通知の前に税理士が意見を述べる場が設けられます。

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税理士に聞く!税務調査のコツ

税務調査は、日程を調整することはできても、正当な理由なく拒否することはできません。調査当日までに質問へきちんと答えられるよう準備し、必要書類をそろえておくことが大切です。

日程については、国税庁の通達が変更を認める「合理的な理由」の例を示しています。病気やけがによる一時的な入院、親族の葬儀などの一身上のやむを得ない事情、業務上やむを得ない事情がこれにあたるとされています(国税庁「法第74条の9〜法第74条の11関係」)。

調査官から尋ねられる内容はある程度決まっています。税理士と相談しながら、売上の計上、仕入・外注の処理、現金管理、経費処理などに問題がないかを事前にチェックしておきましょう。

事前通知では、調査の目的・対象となる税目・対象となる期間・対象となる帳簿書類などが伝えられます。ただし、通知された期間以外の帳簿書類も、必要があれば質問検査の対象になります。「通知された年度の分だけ用意すればよい」とは考えないほうが安全です。

そして、調査官に偽りの答弁をしたり、虚偽の内容が記載された帳簿を提出したりしてはいけません。国税通則法128条は、こうした行為に1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金を定めています(e-Gov法令検索「国税通則法」)。

ごまかそうとせず、誠実に対応すること。それが結果的に、調査を早く穏便に終える近道になります。

>「税務調査のコツ」を詳しく見る

連絡が来たら、まず落ち着いて

税務調査の事前通知が届くと、多くの方が不安を感じます。しかし通知から実地調査までには通常いくらかの日数があり、その間に税理士へ相談し、書類を整え、想定問答を準備する時間があります。

やみくもに恐れる必要はありません。正しい備えこそが、いちばんの安心材料です。

顧問税理士がいない場合でも、税務調査の対応をスポットで引き受けている税理士は多くいます。通知を受けたら、できるだけ早めに相談することをおすすめします。当サイトでは税務調査に強い税理士事務所を地域別に紹介していますので、探す手がかりにしてください。

よくある質問(FAQ)

Q. 顧問税理士がいなくても、税務調査だけ税理士に依頼できますか?

A. 依頼できます。税務調査の立会いをスポットで引き受けている事務所は多くあります。税務代理権限証書を提出してもらえば、調査の場で代理人として対応してもらえます。

Q. 税務調査の日程は変更してもらえますか?

A. 合理的な理由があれば変更を求められます。国税庁の通達は、病気・けがによる一時的な入院、親族の葬儀などの一身上のやむを得ない事情、業務上やむを得ない事情を例として挙げています。

Q. 書面添付をしていれば、税務調査は省略されますか?

A. 省略を前提とした制度ではありません。ただし国税庁は、調査通知前の意見聴取で疑義が解消し調査の必要がないと認められた場合には、臨場しての帳簿書類の調査に至らないこともあり得るとしています。

Q. 税務調査は必ず事前に連絡が来るのですか?

A. 原則として事前通知がありますが、国税通則法74条の10に該当する場合は通知なしで調査が行われることがあります。この場合は、調査通知前の意見聴取も行われません。

Q. 調査官の質問に答えたくないときは黙っていてもよいですか?

A. 答弁しない、偽りの答弁をする、帳簿の提示を正当な理由なく拒む、といった行為は国税通則法128条の罰則の対象です。言い分がある場合は、黙るのではなく税理士を通じて主張するのが適切です。

制度の内容は改正されることがあります。最新の取扱いは国税庁のホームページでご確認ください。

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