税務調査で起きやすいトラブルについて解説

突然の調査や調査員の態度

税務調査の雰囲気を説明するにあたり、まずは誤解を解いておきましょう。実は映画「マルサの女」の
中で描かれていたのは税務調査のうち強制捜査(査察調査)と呼ばれる捜査の場面です。強制捜査は巨額の脱税事件で行われ、捜査令状を持ってやってきます。

一方、税務調査は任意調査とも呼ばれます。任意ですので納税者の任意が必要です。しかし実際には任意調査を受けないことはできません。突然の調査がなされるわけですが、調査員の態度は一般的には紳士的です。調査員が無理やり会社中を調べるということはなく、会社にやってきて帳簿書類を調べていきます。

淡々と帳簿書類を調べていくだけですので不安に思う必要はありません。突然の調査が始まるわけですが、アポなしでくることはあまりなく、事前に電話をかけてくることがほとんどです。しかし、アポなしで税務調査するケースもまだあるようです。

どんな職種がアポなしの税務調査を受けるかというと、飲食店です。飲食店は現金商売であるため、証拠を押さえにやってくることがあるのです。

調査期間中の対応

調査期間中の対応ですが、税務署から税務調査に関する電話が来た、あるいは税務調査の捜査員がアポなしで来たら、顧問税理士に連絡してください。顧問税理士は税務調査の捜査員を相手にすることに慣れていますので、対応を任せるのが一番です。税務調査の捜査員がアポなしでやって来たときに顧問税理士に連絡すると、会社に入れないように指示されるかもしれません。

そのときは、顧問税理士が会社に到着するまで捜査員に外で待っていただきましょう。アポなしで税務調査がなされることを防ぐこともできます。顧問税理士が「税務代理権限証書」という文書を提出していれば、原則的に会社にアポなしで税務調査の捜査員がやって来ることはありません。

原則的にと述べたのは、顧問税理士が「税務代理権限証書」を提出した場合でも、稀にアポなしで税務調査の捜査員がやって来たケースがあるからです。アポなしで税務調査の捜査員がやって来たときは前述のとおり、顧問税理士が来るまで税務調査の捜査員に待ってもらうと良いです。税務調査は通常は2日かかり、短い場合は1日で終わります。

【参考】

個人、取引先への調査の手

個人や取引先へも調査の手は伸びます。個人に関しては、個人の通帳を調べられることがあります。税務署は「質問検査権」というものを持っています。「質問検査権」は捜査するための強い権限で、個人の通帳を銀行に照会して調べることもできるのです。さらに、個人のパソコンや机を調べられることもあります。

ただし、捜査員がパソコンや机に触れて調べることはなく、社長自身にパソコンを操作させたり机を調べさせたりして、それを捜査員が見ています。取引先にも調査は及ぶということでしたが、これを「反面調査」と呼びます。税務調査の捜査員が文書を取り寄せて終わることもありますが、実際に取引先に向かうパターンも考えられます。

こちらの帳簿書類と取引先の帳簿書類が合わなければ、一発でおかしいと思われてしまいます。反面調査は取引先の心象を悪くしてしまう可能性があります。しかし、これも断ることはできません。

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