税務調査官とはどんな人?なり方とチェックする点を解説

資料を確認する税務調査官のイメージ
このページでは、税務調査官とはどのような人なのか、そして税務調査でどのような点を確認しているのかをご紹介します。相手を知っておくことは、いざ調査を受けるときの落ち着いた対応につながります。

税務調査官という職業について

税務調査官とは、国税局や税務署に勤務し、税務調査を行うための専門的な教育を受けてきた職員のことです。立場としては国家公務員であり、調査官になるには主に次の2つの採用試験があります。
  • 税務職員採用試験……高校卒業程度の人を対象とした試験(高等学校・中等教育学校を卒業して原則3年以内、または卒業見込みの人が対象)
  • 国税専門官採用試験……大学卒業(見込みを含む)程度の人を対象とした試験(受験年の4月1日において原則21歳以上30歳未満)
これらの採用試験に合格すれば調査官への道が拓かれますが、合格時点で税務の専門知識が深い人はごく少数です。そのため、合格後は国税庁が所管する「税務大学校」で体系的な教育を受けることになります。

税務大学校での研修について

採用後の研修は、税務職員採用試験と国税専門官採用試験で内容が異なります。税務職員として採用された人は、税務大学校でおおむね1年間の基礎的な研修(普通科)を受けたうえで現場に配属されます。国税専門官として採用された人は、まず数か月間の専門官基礎研修を受けてから税務署に配属され、その後も実務経験を積みながら、税目ごとの専門的な研修を重ねていきます。 研修の期間や名称は制度の見直しで変わることがあります。最新の試験区分・研修内容は、国税庁や人事院の公式情報でご確認ください。

税務調査官に「ノルマ」はあるのか

税務調査と聞くと、「回収する税額にノルマがあるのではないか」と気になる方もいるでしょう。国税庁は金額のノルマを公式に設けているわけではありませんが、実務上は調査の件数や成果が、調査官の評価に関わるといわれます。

調査件数

調査官は一定の調査件数をこなすことが求められるといわれます。件数を達成できなくても直接のペナルティがあるわけではありませんが、評価に関わる要素とされており、現場では重視されると考えられます。

「増差」とは

評価に関わるもう一つの要素として、しばしば挙げられるのが「増差(ぞうさ)」です。増差とは、当初の申告額よりも多く把握された税額、つまり調査によって追加で課されることになった税額のことを指します。件数をこなしたうえで、こうした成果がどれだけ上がったかも、調査官の評価につながると考えられています。

税務調査官がチェックするポイント

調査官がどこを見ているのかを知っておくと、調査を受けたときの対応がスムーズになります。

現場に向かう前の準備

調査官は実際に現場へ向かう前に、統括官から対象法人の資料を受け取ります。その際、なぜその法人が調査対象になったのかという理由も共有されることが多いものです。調査官はその資料をもとに、どこを重点的に調べるかの計画を立て、十分に準備を整えたうえで現場にやってきます。

臨場調査でのポイント

臨場調査は、実際に納税者と対面して行う調査です。ここで確認されているのは、おおまかにいえば「会社の実態と経理処理の整合性」です。設備や事業内容に変化があった場合、それが経理にどう反映されているか、説明と資料に食い違いがないか、といった点が見られます。

現物確認でのポイント

現物確認では、金庫の中などをチェックします。預金通帳などを確認し、帳簿に載っていない簿外の預金がないかを確かめます。帳簿に記録されていない通帳などが見つかると、さらに深い調査につながることがあります。とくに同族会社では、この部分が入念に確認される傾向があります。

2つの採用試験の違い(早見表)

比較の観点税務職員採用試験国税専門官採用試験
対象高校卒業程度大学卒業(見込み含む)程度
主な年齢要件高校卒業後おおむね3年以内原則21歳以上30歳未満
採用後の研修税務大学校で約1年(普通科)専門官基礎研修ののち実務・専門研修
仕事内容採用試験は異なるが、配属後の業務内容(税務調査・徴収など)は基本的に同じ

※受験資格・研修内容は年度や制度改正で変わります。最新情報は国税庁・人事院の公式サイトでご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 調査官は何人で来ますか?

A. 規模や事案によりますが、個人事業者や小規模法人では1〜2名で行われることが一般的です。大規模法人や複雑な事案では、複数名・複数日にわたることもあります。

Q. 調査官に強い口調で来られたら、言い返してよい?

A. 感情的に対立する必要はありません。事実に基づいて、わからないことは「確認して回答します」と落ち着いて伝えれば十分です。不安が大きい場合は、税務調査に詳しい税理士に立ち会いを依頼すると安心です。

Q. 「増差を稼ぎたいから厳しく見られる」って本当?

A. 調査官個人の評価事情にかかわらず、日頃から正しく記帳し、根拠資料をそろえておくことが最大の備えです。説明できる状態を整えておけば、過度に身構える必要はありません。

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*