税務調査で税理士に依頼する費用の相場|立ち会い・修正申告の目安

税務調査の対応を税理士に相談するイメージ

税理士に税務調査の立ち会いを依頼する場合の費用について

個人事業主や会社の経営者にとって、税務調査の連絡はやはり不安なものです。「不正をしていなければ怖くない」と思われがちですが、実際には意図しない処理のミスや解釈の違いを指摘され、追徴課税が発生してしまうケースは少なくありません。

そこで心強いのが、税務調査に立ち会ってくれる税理士の存在です。ここでは、税務調査の対応を税理士に依頼したときにどの段階で・どのくらいの費用がかかるのかを、現場の実務にそって順を追って解説します。落ち着いて備えるための目安としてお役立てください。

顧問税理士がいても、立ち会い費用は別途かかる

税務調査が行われる場合、原則として事前に税務署から連絡が入ります。突然職員が訪問して抜き打ちで調べる、ということは通常ありません(現金商売など一部の例外を除きます)。通知された日程で都合が悪ければ、日程の調整を相談することも可能です。

顧問税理士がいる場合、確定申告書や決算報告書に税理士の氏名・連絡先を記載する欄があるため、税務署からは顧問税理士にも連絡が入っているのが通常です。調査の連絡を受けたら、まず顧問税理士に伝えましょう。

ここで注意したいのが、毎月の顧問料には税務調査の立ち会いは含まれないのが一般的だという点です。顧問料は通常、会計データの確認や試算表の作成といった日常的な業務への報酬とされています。税務調査の立ち会いのように普段は発生しない業務を依頼する場合は、別途の費用がかかると考えておきましょう。契約内容によって範囲は異なるため、事前に顧問税理士へ確認しておくと安心です。

税理士費用は「事前準備」「立ち会い」「修正申告」の3段階

税務調査の対応費用は、大きく次の3つの段階に分かれます。それぞれの相場をまとめると、おおよそ以下のとおりです(税理士事務所や事業規模によって幅があります)。

段階費用の相場(目安)主な内容
事前の打ち合わせ・準備1日あたり3万円〜5万円帳簿・申告書の事前チェック、想定問答の準備
調査当日の立ち会い1日あたり3万円〜5万円調査官対応、質疑応答の同席・交渉
修正申告書の作成(必要時)10万円〜20万円程度指摘を受けた場合の申告のやり直し

2日間の調査で修正申告まで依頼した場合、事前準備・立ち会い・修正申告を合わせて12万円〜31万円ほどになるケースが多いとされています。規模が大きく調査日数が長引く法人では、総額で30万円〜70万円程度になることもあります。一方、修正すべき点がなく「是認(ぜにん)」で終われば、修正申告の費用はかかりません。

事前の打ち合わせでかかる費用

税務署から調査の連絡が来てから当日までは、おおむね2週間程度の猶予があります。この期間に税理士と事前の打ち合わせをして当日に臨むのが、一般的な流れです。

事前の打ち合わせでは、帳簿や提出済みの申告書の控えを税理士が細かくチェックします。この段階で処理のミスが見つかることも多く、ミスではなくても「突っ込まれそうな箇所」をあらかじめ洗い出し、聞かれたときの説明の仕方まで整理してくれます。

資料が多い場合や規模の大きな会社では、打ち合わせが2日以上にわたることもあります。費用は1日あたり3万円〜5万円程度が相場です。

このとき大切なのは、税理士が把握していない資料やお金の流れを必ず共有しておくことです。税理士に伝えていない収入・支出を当日に指摘されると、その場での十分な対応が難しくなります。隠さず事前に相談しておくことが、結果的に調査をスムーズに終えるための備えになります。

調査当日以降の対応でかかる費用

調査当日の立ち会い費用も、1日あたり3万円〜5万円が相場です。調査は2日間にわたることが多いため、立ち会いだけで6万円〜10万円程度になるのが一般的です。

規模の大きな会社では2日で終わらず、3日以上かかることもあり、その場合は日数に応じて費用も増えます。逆に、零細企業や個人事業主では半日〜1日で終わるケースも多く、その分費用も抑えられます。

調査の結果、指摘がなかった場合や、指摘に適切に回答して調査官に納得してもらえた場合は、そのまま無事終了です。一方、誤りが確定した場合は修正申告を行う必要があり、その作成を依頼すると10万円〜20万円程度の費用がかかります。これは費用の中で最も高くなりやすい部分ですが、ミスや不正がなければ発生しない費用でもあります。

なお、修正申告にともなって、過少申告加算税や延滞税などの附帯税が別途かかる場合があります。これらは税理士費用とは別に納税者が負担するもので、税率や計算方法は国税庁の最新情報をご確認ください。

顧問税理士がいない場合(スポット依頼)

個人事業主や小規模な会社では、顧問税理士を付けていないことも珍しくありません。売上や利益が小さければ調査が入りにくい傾向はありますが、「絶対に入らない」というわけではありません

顧問契約を結ぶのが難しい場合でも、税務調査のときだけ立ち会いを依頼する「スポット依頼」という方法があります。零細企業や個人事業主であれば、事前の打ち合わせ3万円+当日の立ち会い3万円の合計6万円程度で済むことも多く、修正申告が必要になっても規模が小さければ10万円程度に収まるケースが一般的です。

調査官の指摘に的確に答えられず、想定以上の追徴課税を課されてしまう例もあります。費用を惜しんで自力で乗り切ろうとするより、専門家に同席してもらうほうが、結果的に負担を抑えられることも少なくありません。

税務調査の税理士費用を抑えるためのポイント

最後に、費用をムダに増やさないための実務的なポイントを整理します。

  • 日頃から帳簿・領収書を整えておく:資料が整理されているほど事前準備の日数が減り、費用も抑えられます。
  • 料金体系を事前に確認する:日当制か一式(パッケージ)か、修正申告は別料金かを依頼前に確認しましょう。「着手金+成功報酬」型の事務所もあります。
  • 修正申告の範囲を確認する:修正申告は本来、納税者自身や税務署側でも作成できます。高額な修正申告報酬を提示された場合は、内訳を確認すると安心です。
  • 追徴課税の交渉実績を確認する:附帯税の軽減や指摘範囲の交渉は税理士の力量によります。元国税調査官(国税OB)など税務調査に強い事務所は、結果的に総負担を抑えられることがあります。

よくある質問(FAQ)

Q. 税務調査の費用は経費にできますか?

A. 税理士に支払う立ち会い・申告書作成などの報酬は、原則として事業の必要経費(または損金)として処理できます。一方、追徴された本税や加算税・延滞税などのペナルティは経費になりません。詳しい取り扱いは税理士にご確認ください。

Q. 修正申告は自分でもできますか?

A. 制度上は納税者自身でも可能です。ただし、複数年度・複数税目にわたる修正は計算が複雑で、対応を誤るとかえってペナルティが増えるリスクもあります。不安があれば税理士に依頼するのが無難です。

Q. 顧問税理士に立ち会いを断られたら?

A. 顧問契約の範囲外として立ち会いを行わない事務所もあります。その場合は、税務調査の立ち会いに対応しているほかの税理士へスポットで依頼することもできます。

Q. 費用は事業規模でどのくらい変わりますか?

A. 個人事業主・零細企業なら総額10万円前後で収まることが多い一方、調査日数が長引く中小企業では20万円〜30万円程度、規模の大きな法人では30万円〜70万円程度になることもあります。資料の量と調査日数が費用を大きく左右します。

まとめ

税務調査の対応を税理士に依頼する費用は、事業規模と資料の量によって変わります。目安としては、事前の打ち合わせが3万円〜5万円、調査の立ち会いが1日あたり3万円〜5万円、修正申告が必要な場合はそれにプラスして10万円〜20万円程度と考えておくとよいでしょう。

費用はかかりますが、正しく備え、的確に対応することが、結果的に追徴課税やペナルティを最小限に抑えることにつながります。不安な点は早めに専門家へ相談し、落ち着いて調査に臨みましょう。

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