サラリーマンにも税務調査は入る?副業・ネット収入の申告漏れに注意

サラリーマンの副業と税務調査を表すイラスト
お勤めの方は会社が毎月のお給料から所得税・住民税を源泉徴収し納めているので確定申告の必要はありません。住宅ローン控除の手続きが必要なマイホーム購入や相続など特別な事がない限りサラリーマンが税務調査の対象となる事は基本的にはありません。   それでは法人・個人事業主ではないサラリーマンは税務調査と無縁なのでしょうか?実はサラリーマンや主婦の方も税務調査の対象となる場合があります。 更に近年は副業収入を無申告にしているサラリーマンへの税務調査が急増しています。  

サラリーマンは『副業』で調査が入る

サラリーマンに税務調査の入る大きな要因は『副業・サブビジネス』です。   2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定(2022年7月に改定)した事で大手企業やベンチャー企業でも副業が公に解禁される流れが本格化し、スキルを活かした副業で申告が必要な所得を得ているケースが急増しています。   株式会社リクルートキャリア(現:株式会社リクルート)が2019年に副業・兼業を認めている企業を対象に行った「兼業・副業に対する個人の意識調査」では約4割の従業員が副業・兼業を行っているまたは行ったことがあると回答していました。その後も副業人口は増加傾向が続いており、副業の普及とともに税務調査の対象となるサラリーマンは今後さらに増加していく事が予想されます。 サラリーマンの副業経験  

暗号資産・ネットオークション・シェアリングエコノミーも申告が必要

近年は『副業(収入)』の認識がないまま(あるいは意識的に)収入を得ており無申告となっているケースが増加しています。 暗号資産(仮想通貨)の取引:ビットコインをはじめとした各種暗号資産の売買・スワップ・ステーキング等で生じた利益は原則として雑所得となり、確定申告が必要です。国税庁は暗号資産取引への調査を継続して強化しており、令和5事務年度では1件当たりの追徴税額が662万円と、所得税調査全体の平均(224万円)の約3倍に達しています。 ネットオークション・フリマアプリでの販売収益:1回ごとの取引利益は少ない場合が多いですが、日常的に出品している場合や引越しなどにより一度に大量の取引を行った場合には総額がふくらみ確定申告の対象となる場合があります。 動画・コンテンツ配信・シェアリングエコノミー:動画投稿の広告収益、民泊・カーシェアなどのシェアリングサービスによる収益、ライバー・インフルエンサー収益なども申告対象となる所得です。  

副業で申告が必要になる条件は?いくらから?

サラリーマンの副業で申告が必要となる条件は副業の種類により異なります。  

副業の種類がパート・アルバイトの場合

1月1日から12月31日までの期間の『収入』が20万円以上になる場合は確定申告が必要。  

副業の種類が暗号資産・ネットオークション等の場合

1月1日から12月31日までの期間の『所得』が20万円以上になる場合は確定申告が必要。 ※所得は売上、売却益から仕入れ原価、経費等を差し引いた金額となります。  

副業の無申告。なぜバレる!?

副業で得た収入を申告しなかった場合、どのようにして税務署にばれてしまうのでしょうか?代表的なものを挙げてみました。  
  • 副業収入の支払先から税務署に提出された支払調書により発覚
  • 取引先や暗号資産取引所などに調査が入り芋づる式に発覚
  • 給与収入の金額に対して不釣り合いな金額の家や車を購入し発覚
  • 税務署へ第三者が情報提供(タレコミ)され発覚
  • サイバー税務署(情報技術専門官)によるオンライン取引の追跡で発覚
  上記が主に税務署にばれてしまう原因となるようです。「心当たりはあるが税務署から連絡は来ていないから私はセーフ」と思われた方もご注意ください。 税務調査は申告を行わなかった直後の年度に来るわけではありません。   追徴課税は最大7年に遡って請求できるため3~5年経ってから突然電話がくる!というケースが多いようです。  

副業のネット収入・インターネット取引の無申告は危険

国税庁は毎年、ネット取引を行っている個人に対する調査結果を公表しています。令和5事務年度 所得税及び消費税調査等の状況(2024年11月公表)によると、シェアリングエコノミー等新分野のインターネット取引に係る調査では1,226件の実地調査が行われ、1件当たりの申告漏れ所得金額は1,432万円、追徴税額は319万円に達しています。
令和5事務年度のインターネット取引調査件数内訳グラフ:ネット通販等587件、その他281件、デジタルコンテンツ140件、シェアリングビジネス130件、ネット広告88件
合計1,226件。1件当たりの申告漏れ所得金額は1,432万円、追徴税額は319万円。
取引区分別の内訳を見るとネット通販等が587件と最多で、デジタルコンテンツ140件、シェアリングビジネス130件、ネット広告88件などが続きます。また、暗号資産取引の1件当たり追徴税額は662万円と特に高額です。 所得税調査全体(簡易な接触を含む)の申告漏れ所得金額の総額は9,964億円(過去最高)、追徴税額は1,398億円(過去最高)を記録しています。 「金額が少ないからバレない」「副業収入だからわからないだろう」は通用しません。国税庁はAIを活用したデータ解析やKSKシステム(国税総合管理システム)を駆使し、副業収入・暗号資産取引の申告漏れを効率的に把握する体制を強化しています。 申告をしていなかったという方はまずは税理士に相談してください。すでに確定申告についての連絡、税務調査の連絡が来てしまったという場合は税務調査専門の税理士に相談することをおすすめします。  

FAQ:サラリーマンの副業と税務調査に関するよくある質問

Q1:副業の所得が20万円未満なら何もしなくてよいですか?

所得税の確定申告は不要ですが、住民税については金額にかかわらず申告が必要です(お住まいの自治体への住民税申告)。また、20万円未満であっても医療費控除などのために確定申告を行う場合は、副業収入も含めて申告しなければなりません。

Q2:会社に知られずに副業の申告ができますか?

確定申告書の「給与・退職所得以外の住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することで、副業分の住民税を会社経由ではなく自分で納付できます。ただし、会社の就業規則で副業が禁止されている場合の取り扱いは別途ご確認ください。

Q3:税務調査が来るとしたらいつ頃ですか?

申告しなかった直後の年度に来るわけではありません。追徴課税は最大7年遡って請求できるため、3〜5年経ってから突然連絡が来るケースも多くあります。「まだ来ないから大丈夫」と安心せず、心当たりがある方は早めに税理士へご相談ください。

 

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