ネットを使ったビジネスは匿名性も高く、会社員の方なども副収入の一環として気軽に参加している方も多いようです。
そこで気になるのがネットビジネスの確定申告についてです。最近ではネット収入専門の税務調査官、情報技術専門官が個人のネットビジネスの脱税行為も厳しく監視しているといいます。
ネット収入専門の税務調査官、情報技術専門官はどのような業務を行っているのか、ネットビジネスをしている人はどのように確定申告をすればいいのか、ご紹介します。
ネット収入専門の税務調査官、情報技術専門官とは
情報技術専門官とは、IT分野の研修を重点的に受講した、ネット収入専門の調査官のことです。
かつて税務署はIT関連に弱いとされていましたが、近年はIT関連やネットビジネスに対応できるよう、情報技術専門官が税務署に配属されさまざまな税務調査にあたっています。
情報技術専門官の業務の特徴
情報技術専門官はITやネットなどに通じた税務調査官です。アフィリエイトやネットオークション、ネット販売を中心に税務調査をしています。
もともとIT関連の知識や技術が豊富なうえ、日々ネットビジネスを中心に税務調査をしているので、その知識や見識はかなりのものがあります。
情報技術専門官が注意するポイント
国税庁では現在、電子商取引監視チームというものを配置し、ネット上の取引を常時監視しています。
例えばネットビジネスを行った場合はオンライン上に取引記録がすべて残りますが、税務調査の際にこうした記録、1円単位での売り上げ記録までを把握するといわれます。税務調査の際にはデータの削除履歴や作成日付などを中心に調べていきます。
また会計データの不正や誤入力、パソコン内の日常の記録やメールなど、関係するものは全て確認し、不正がないか確認します。
情報技術専門官が税務調査に同行した時の注意点
一番重要なのは税務調査があるからといって、これまでの履歴を改ざんしたり、データの削除を決してしないことです。
これらの行為を慌てて行っても現在ではすべての履歴やデータは元通りにできるといいます。履歴の改ざんやデータの削除は場合によっては犯罪に問われることもあるので、税務調査の際はできる限り協力的に対応することです。
ただ、パソコン内には個人情報も入っており、税務調査官に見せる必要はないとの考え方もあるので、税務調査がある際は税理士に早急に相談することもおすすめします。
個人でネットビジネスをしている方の確定申告
アフィリエイトやオークションなどのネットビジネスの税金に関して問題が起きやすいのは、年間の売り上げが少ないケースが多いことです。普段仕事に就きながら副業として小遣い稼ぎでネットビジネスをしている人が多いので、納税意識が低くなってしまいがちです。
そこでここでは税務調査に入られないよう、個人でネットビジネスをしている方の確定申告についても説明をします。
確定申告が必要な人
アフィリエイトやネットオークションなどネットビジネスでお金を稼いだ場合、税金の申告は確定申告で行います。確定申告は全ての人に必要なのではなく、ある一定以上の所得があった人が確定申告をします。
具体的には会社員などで副業としてネットビジネスをしておりネットビジネスの年間所得が20万円以上の方、または主婦や学生、無職の方でネットビジネスでの所得が38万円以上の方は所得税が発生するので、確定申告をする必要があります。それ以下の所得の方は確定申告の必要はありません。
なお、所得とは1年間の収入から経費などを差し引いた金額になります。
ネットビジネスで確定申告が必要になる人
- サラリーマン等:年間20万円以上の副収入で所得税発生
- 主婦・学生・無職等:年間38万円以上の副収入で所得税発生
また確定申告には白色申告と青色申告があります。副業レベルでネットビジネスの収入が少ない方は手間がかからない白色申告がおすすめです。
しかしネットビジネスだけで生計を立てているなど、一定以上の収入がある方は青色申告をすべきです。複式簿記で記帳に手間がかかりますが、65万円の特別控除がありますので断然おすすめです。なおネットビジネスの年収が1,000万円を超えた方には法人化をおすすめします。
ネットビジネスの経費について
個人でネットビジネスをしている場合はパソコンとデスクがあれば基本的にビジネスができるので、必然的に利益率は高くなります。しかし経費として認められるものもたくさんありますので、極力節税するためにも経費に関しても理解しておいてください。
個人でネットビジネスをしている際の経費としては
- パソコン代
- 通信費
- 電気代
- レンタルサーバー代金
- 情報商材
- 書籍代
- 郵送代
- 交通費
- 家賃
- その他ネットビジネスに費やした費用全般
などが考えられます。家賃に関しては事務所と居宅の双方で使用している場合は仕事場分のみが経費として計上できることになります。通信費に関しても個人用としても使用している場合は全てを経費とすることは難しいので、税務署や税理士に相談してみるのが良いでしょう。
またネットビジネスのセミナー等に参加した場合も経費として認められます。経費の領収書は必ず保管することが求められています。また領収書の裏に何に使用したかを明記しておけば、もし税務調査があった場合の証拠として活用できます。
まとめ
ネットビジネスの総売り上げは年々増加しており、それだけに税務調査の件数も増えてきています。
税務調査が入り追徴課税を受けないためにも、納税意識をしっかりと持ってネットビジネスに参加することが重要です。