税務調査の流れ|事前通知から当日・修正申告・不服申立てまで解説

帳簿や書類を確認しながら打ち合わせをするオフィスのイメージ
税務調査は、事前通知から調査当日、そして調査が終わったあとの手続まで、進み方が国税通則法で定められています。何がどの順番で行われるのかを知っておけば、いざ連絡が来ても落ち着いて対応できます。ここでは一般的な任意調査の流れを、国税庁の公表資料にもとづいて順を追って解説します。 ※本記事は、国税庁「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」(令和8年7月改訂)および法令解釈通達の内容にもとづき、2026年8月時点で整理したものです。個別の取扱いは事案によって異なりますので、最終的なご判断は顧問税理士や所轄の税務署にご確認ください。

税務調査のスケジュール

ここでは税務調査に慌てることなく対応するために、一般的な任意調査の流れについて概要をまとめました。まず全体像を押さえておきましょう。
段階行われること根拠・押さえておきたい点
1. 事前通知原則として電話で、調査の日時・場所・対象税目・課税期間・目的などが伝えられる国税通則法74条の9。書面は交付されず、日程変更の申出は可能
2. 事前準備通知された税目・課税期間に対応する帳簿書類をそろえる提示・提出の求めに正当な理由なく応じない場合は罰則の定めがある
3〜4. 調査当日会社概況の聞き取りのあと、帳簿の確認。中小企業では2日間程度が一般的質問検査等の権限は国税通則法74条の2ほかに規定
5. 調査終了是認なら書面で通知。指摘があれば調査結果の内容の説明を受ける国税通則法74条の11。説明は原則として口頭
6. 修正申告・更正修正申告の勧奨を受ける。応じるかどうかは納税者の判断応じない場合は更正処分が行われる
7. 不服申立て更正処分に納得できなければ再調査の請求または審査請求原則として処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内

1.事前通知と日程調整

税務調査の事前通知を受けるイメージ 税務調査を行う場合は、原則として電話による事前通知があります。指定された日程の都合が悪い場合は、変更してもらうことが可能です。 飲食店のように現金商売をしている場合は事前連絡なしのケースもありますが、基本は事前に連絡があり、日程調整をするところから始まると考えてよいでしょう。 事前通知で伝えられる内容は、国税通則法74条の9第1項および同法施行令30条の4に列挙されています。実地の調査を行う旨、調査を開始する日時と場所、調査の対象となる税目・課税期間、調査の目的、対象となる帳簿書類その他の物件などが、電話で口頭により伝えられます。国税庁は「事前通知の方法は法令上規定されておらず、原則として電話により行う」としており、希望しても通知内容を記載した書面が交付されることはありません。電話を受けた時点で、聞き取った内容は必ずメモに残しておきましょう。 なお、「なぜ自分のところに調査が来るのか」という理由は説明されません。法令上、通知すべき事項とされているのは調査の「目的」(提出された申告書の記載内容を確認するため、など)までで、実地の調査を行う理由の説明までは求められていないためです。理由を尋ねても答えが得られなくても、それは調査官の対応が不適切なわけではありません。 日程については、通知の時期を「何日前まで」と定めた規定はなく、納税者側が準備できるよう相当の時間的余裕を置いて行うこととされています。変更の申出に決まった様式はなく、口頭で伝えれば足ります。繁忙期や出張、家族の看護など合理的な事情があれば調整に応じてもらえますので、無理な日程のまま受けてしまわないようにしましょう。

2.事前準備

税務調査の通知がされる際に、日時や場所以外に、調査の目的や対象となる税目、課税期間などの説明があります。それに従って、総勘定元帳や請求書・領収書、預金通帳、契約書など必要と思われる書類を準備します。顧問税理士がいる場合は、早めに相談しておくとよいでしょう。 準備で意識したいのは、通知された税目と課税期間に対応する年度分をひとまとめにしておくことです。当日になって別の場所から探し出すことになると、その分だけ調査が長引きます。 なお、帳簿書類等の提示・提出の求めに対して正当な理由なく応じなかったり、偽りの記載をした帳簿を提示したりした場合には、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金という罰則の定めがあります(国税通則法128条)。もっとも国税庁は、罰則を科すことを目的として強制的に検査を行うことは考えておらず、提示・提出が必要とされる趣旨を説明したうえで、納税者の理解と協力の下、承諾を得て行うとしています。過度に身構える必要はありませんが、「見せない」という対応は選択肢にならないと理解しておきましょう。 帳簿書類が電子データ(電子的記録)で保存されている場合は、画面に表示して調査担当者に確認してもらう方法のほか、プリントアウトしたものを渡す、e-Taxやオンラインストレージサービス、メールを利用して提出する、といった方法が案内されています。会計ソフトやクラウド上で帳簿を管理している場合は、当日どの端末で、誰が画面を出せるのかを事前に決めておくと当日の待ち時間を減らせます。

3.税務調査当日【1日目】

中小企業の税務調査は、通常2日間かけて行われることが多いです。1日目は午前10時ごろに調査官が到着し、身分証明書の提示があってスタートします。午前中は業務内容や取引先など会社概況の聞き取り調査、午後から帳簿確認作業が行われるのが一般的な流れです。 午前中の聞き取りは雑談のように進むこともありますが、事業の実態を把握するための質問検査の一部です。売上の計上時期、外注先との取引の実態、社長個人と会社のお金の区別など、後の指摘につながる論点が確認されています。分からないことを推測で答えず、「確認してから回答します」と伝えて構いません。

4.税務調査当日【2日目】

1日目の調査を引き続き行い、問題点がある場合は口頭で質問や指摘を受けます。また必要な資料がなかった場合は、後日提出を求められます。2日間で資料チェックが終わらない場合は、書類等を持ち帰る(預かる)場合もあります。 この持ち帰りは「留置き」と呼ばれる手続です(国税通則法74条の7)。国税庁は、留置きは帳簿書類等を預かることについて納税者の理解と協力の下、その承諾を得て行うものであり、一方的に留め置くことはないとしています。預ける際は預り証の記載内容を確認し、業務で使う書類は手元にコピーを残しておきましょう。 留め置く必要がなくなったときは遅滞なく返還されることとされています。返還を求めたにもかかわらず待つよう求められ、その理由に納得できない場合は、税務署長への再調査の請求または国税不服審判所長への審査請求という手段があります(留置きを行っている職員が税務署所属の場合)。

5.調査終了

税務調査が終了すると、後日、調査官から結果の説明があります。指摘事項がない場合は申告是認となり終了です。この場合は「更正決定等をすべきと認められない旨」が書面で通知されます(国税通則法74条の11第1項)。指摘事項がある場合は修正申告を勧められます。 調査結果の説明の方法は法令で定められておらず、原則として口頭で行われます。項目ごとの金額を整理した資料などを示しながら説明されることはありますが、要望しても説明内容を記載した書面が交付されるわけではありません。そのため、指摘された項目・金額・理由は、その場で自分でも書き留めておくことが大切です。

6.修正申告・追加納税

指摘に納得がいけば修正申告書を提出し、納得がいかない場合は税務署からの更正決定を待ちます。更正の内容に合意する場合は不足分の税額を納めますが、納得しない場合は不服申立てを行うことができます。 ここで押さえておきたいのが、修正申告の勧奨に応じるかどうかは納税者の任意であるという点です。国税庁も、勧奨に応じなかったからといって、応じた場合と比べて不利な取扱いを受けることは基本的にないとしています。 一方で、自ら修正申告書を提出すると、その内容について不服申立てをすることはできなくなります(自分の申告であって税務署の処分ではないため)。ただし、あとから修正申告の内容に誤りがあったと気づいた場合、所定の期間内であれば「更正の請求」という手段は残されています。納得できない点があるなら、その場で押し切られずに持ち帰り、税理士と検討してから判断しましょう。 更正処分に納得できない場合の申立期限は次のとおりです。期限を過ぎると争えなくなりますので、通知書を受け取った日付は必ず控えておいてください。
手続申立先期限(原則)
再調査の請求処分を行った税務署長等処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内
審査請求国税不服審判所長処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内(再調査の請求を経た場合は再調査決定書謄本の送達を受けた日の翌日から1か月以内)
訴訟裁判所裁決があったことを知った日の翌日から6か月以内
なお、修正申告や更正によって不足していた税額を納めるときは、その内容に応じて過少申告加算税・無申告加算税・重加算税などの加算税と、納付が遅れた期間に応じた延滞税がかかることがあります。どのような対応がペナルティを重くしてしまうのかは、税務調査で損する不用意な対応もあわせてご覧ください。 以上のように、どのような流れで税務調査が進められるのかを知っておくことで、準備がしやすくなります。 なお、税務調査に対応できる税理士がいる場合は、調査に立ち会ってもらい、指摘事項に対する反論・折衝をお願いすることが可能です。

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初めての税務調査、やっておくべきこと、注意すべきことは?

税務調査に不安を抱える経営者のイメージ企業経営を行っている経営者の方の中には、税務調査に対して不安を抱いている方も少なくないと思います。 税務調査は、その企業や団体が納めるべき税金を適正に納めているかをチェックするために行われるもので、いつ自分の会社が調査対象となるかはわかりません。 明日電話がかかってくる可能性もありますし、逆に10年ほど音沙汰がないこともあり得ます。 企業ごとに税務調査が入る頻度はさまざまで異なりますが、調査に入る時期やターゲットはどのようにして決めているのでしょうか。 調査対象を選定するイメージ実際に調査を行う国の機関は税務署であり、ここで具体的な調査対象を選定しています。企業はその特徴ごとに区分けされ、多額の不正経理が疑われる企業や、不正に関わっている可能性が高い企業などが要チェックとされます。 このようないわゆる「気になる企業」に対しては、比較的高い頻度で調査が行われることが多いといわれています。 一方、経営陣が大幅に変わったり事業規模が大きく変化したなど、申告内容をあらためて確認する必要がある企業は、長期的に見ていく必要があるため、しばらく経過してはじめて調査が入るということもあります。 税務署が調査を行うか否かを最終的に判断する際には、企業が行っている税務関係の申告状況を確認することになります。ターゲットになりやすい特徴としては、まず黒字が続いている企業が挙げられます。赤字企業に調査を行っても、不足している税金を納められないケースが多いため、黒字続きで納税余力のある企業のほうが調査対象に選ばれやすくなります。もちろん、赤字だからといって必ずしも調査対象にならないわけではないので、油断は禁物です。 また、近年急激に売上や利益が伸びている企業も、売上の計上漏れなどが起きやすいため、調査対象とされる確率が高まります。この他、退職金の支払いが多額にのぼったり、貸倒れによって経費計上が増加するなど、非経常的な経費が大きく発生している企業もチェックされやすくなります。 他にもさまざまなポイントがあり、該当する項目が多ければ多いほど、調査対象になる可能性が高いといえます。 帳簿を確認するイメージいざ調査が入ると、どんなポイントを調べられるのかも知っておくことが大切です。最初にチェックされるのは、売上計上の金額はもちろん、その計上「時期」に不審な点がないかという点です。 交際費や在庫、売上の計上ミスもよく見られるので入念に調べられますし、実際には働いていない架空の人件費を計上していないかも確認されます。 税務関係は分かりにくいこともあるため、故意に不正を働いたとあらぬ疑いをかけられないためにも、日ごろから適正な処理をしていくことが重要です。 そのためにも、税務処理は社内の担当者だけで行うのではなく、経験豊富な税理士などの専門家に依頼して、普段から間違いがないかチェックしてもらうようにしましょう。 税務調査対策として最も大切なことは、課税対象となる内容について、法律に基づいた正確な知識と正しい証拠を揃えておくことです。そうすれば、その税務処理に不審な点がなく正当なものであると証明できます。 たとえば、取引先と食事をしたのであれば、領収書に相手の企業名や氏名などをメモ書きしておいたり、なくさないようにしっかり保管しておくなどの心がけが欠かせません。正当な証拠があれば、不当な追徴課税を課せられる心配も少なくなるので、社内でこうした意識を周知徹底させておきましょう。

知っておきたい無予告調査の要件と対処のポイント

無予告調査の対象となる要件

通常、税務調査は事前に通知があり、予定された日時に行われますが、通知をせずにいきなり調査に入ることが認められているケースがあります。 これが「無予告調査」です。突然アポなしで税務調査に来られてしまうため、何の準備もできていない経営者はかなり慌ててしまいます。 一般的に、無予告調査は現金での商売をしている個人事業主などが対象となることが多いようですが、必ずしもそうとは限らず、企業にも無予告調査が入る可能性はあります。 以前は、対象となる理由がわからないような企業にも無予告調査が入ることがありましたが、現在は無予告調査の要件が法定化されています。無予告調査の要件は、国税通則法第74条の10(事前通知を要しない場合)に定められています。 条文や、その解釈を示した国税庁の法令解釈通達はインターネット上で確認できますので、お時間のあるときに目を通しておくとよいでしょう。

無予告調査は要件を満たしているのか?

無予告調査の根拠となる国税通則法第74条の10には、具体的な判断要素が、国税庁の法令解釈通達に例示されています。 通達では、事前通知をすると「違法または不正な行為を容易にし、正確な課税標準等または税額等の把握を困難にするおそれ」があると認められる場合として、たとえば調査に必要な帳簿書類その他の物件を破棄・移動・隠匿・改ざんすることが合理的に推認される場合や、従業員や取引先などの第三者に対してそうした行為を行うよう要請することが合理的に推認される場合などが挙げられています。また「その他調査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」がある場合の例としては、相当の努力をして電話等により事前通知を行おうとしたにもかかわらず、応答がなかった場合なども示されています。 もし無予告調査が入った場合は、その内容を確認し、自分のところに無予告調査が入ったのは、要件のどの部分に当たっているからなのかをまず確認してください。要件に当てはまらないと考えられる場合は、その点を調査官に確認するとよいでしょう。 なお、事前通知が行われなかったこと自体を不服申立ての対象とすることはできません。事前通知を行わないことは、それ自体が不服申立てのできる「処分」には当たらないためです。運用上、調査の対象となる税目・課税期間や調査の目的などについては、臨場後速やかに説明することとされています。

無予告調査をめぐる注意点

過去には、調査官が要件を正しく説明できず、想定していた無予告調査が行えなかったという事例もあるといわれています。 たとえば、個人事業主の商店に調査官が突然訪れ、無予告調査を行う旨を説明したものの、「なぜ自分が対象なのか(要件のどこに当たるのか)」を尋ねたところ、明確な説明が得られなかった、というようなケースです。 「現金商売だから」というだけでは、必ずしも無予告調査の要件に当たるとは限りません(国税庁の通達でも、単に不特定多数との現金決済取引をしていることのみをもって事前通知を要しない場合に該当するとはいえない、とされています)。無予告調査を受けた際は、必ず「何の要件に当てはまるため調査に来たのか」を確認するようにしてください。

無予告調査に冷静に対処するポイント

経営者と税理士はあらかじめ無予告調査について打ち合わせておく

税金に関してクリアな状態にしておくのが一番だとわかっていても、さまざまな事情で帳簿を完全にクリアにしておくことが難しい場合もあると思います。もしものときのことを考えて、経営者と税理士は、無予告調査が入った際の対応についてしっかり打ち合わせをしておきましょう。 顧問税理士から無予告調査についてのアドバイスがない場合は、自分から「もし無予告調査が入ったらどのように対応すべきか」を質問し、対処法を聞いておいてください。

何を言われてもすぐに税理士に連絡を!

調査官が訪れたら、まず要件を確認します。税務調査に来たということが確認できたら、すぐに税理士に連絡をしましょう。 「税務代理権限証書」を提出している場合、税理士は税務調査に立ち会う権利を持っています。何を言われても、まずは税理士に連絡を入れましょう。 調査そのものを拒むことはできませんが、「税理士に連絡したので到着を待ってほしい」と伝えること自体は問題ありません。対処に慣れていない経営者だけで対応すると、意図せず不利な受け答えをしてしまうことも考えられます。感情的にならず、落ち着いて事情を説明する姿勢が、結果的にいちばん有利に働きます。 なお、税理士以外の第三者に立ち会ってもらうことは原則としてできません。記帳を委託している記帳補助者であっても、第三者がいる状態で調査を行うと、調査担当者に課されている守秘義務に抵触するおそれがあるため、原則として立会いは断られます(納税者本人の記帳内容を熟知しているなど、調査を円滑に進めるために必要と認められる範囲で同席が認められる場合はあります)。

「今までは大丈夫だった」という言葉は禁句

税務調査でよくあることですが、前回の調査では指摘されなかったことが今回指摘されたというときに、「今までこれで何も言われなかった」と言いたくなってしまうことがあります。しかし、これは避けたい言葉です。これを言ってしまうと、さらに古い税務記録までさかのぼって確認されることになりかねません。

帳簿のコピーや貸与を求められたら

現在は、資料のコピーや貸与(預かり)について、必要があれば調査官が求めることが法律で認められています。ただし前述のとおり、留置き(預かり)は納税者の承諾を得て行われるもので、一方的に持ち去られることはありません。必要性の説明を受けたうえで、預ける範囲を確認しましょう。 貸与については、明確に「何日以内に返却しなければならない」と法律で決められているわけではありません。資料の貸与(預かり)を求められたときは、後で内容を確認できるよう、こちらでもコピーを取ってから渡すなどの対処をしておくと安心です。

無予告調査は断れないが、日程調整は可能

無予告調査そのものを拒否することはできません。また、税務調査において黙秘をしたり、嘘の発言をしたり、偽の資料を提出したりすると、罰則を受ける可能性がありますので、絶対にやめましょう。 とはいえ、平日に突然調査官が訪れても、仕事上の大切な打ち合わせや用事がある場合もあります。調査そのものを断ることはできませんが、「今はどうしても立ち会えないので別の日にしてほしい」と日程を調整してもらうことは可能です。 参考:国税庁「税務調査手続に関するFAQ(一般納税者向け)」https://www.nta.go.jp/information/other/data/h24/nozeikankyo/ippan.htm

調査内容は時系列で細かく記録

無予告調査に関しては、トラブルに発展してしまったケースもあります。調査内容は細かく時系列で記録しておき、万一トラブルが発生した際に、速やかに正しい対処ができるようにしておきましょう。

よくある質問(税務調査の流れ)

Q. 税務調査の連絡(電話)が来たら、まず何をすればよいですか?

まずは落ち着いて、調査の対象となる税目・課税期間・日時・場所を聞き取り、メモしておきましょう。事前通知は原則として電話で行われ、内容を記載した書面は交付されませんので、電話口でのメモが唯一の記録になります。そのうえで、顧問税理士がいれば早めに連絡し、日程調整や準備すべき書類を相談します。指定された日程の都合が悪ければ、変更を申し出て構いません。

Q. 調査当日は何を準備しておけばよいですか?

一般的には、総勘定元帳などの帳簿、請求書・領収書、預金通帳、契約書、給与関係の書類などです。事前通知で示された税目・課税期間に対応する年度分をそろえておくと、当日の確認がスムーズです。帳簿を会計ソフトやクラウドで管理している場合は、画面を表示できる担当者と端末も決めておきましょう。何を準備すべきか迷う場合は、税理士に確認しましょう。

Q. 調査は何年分さかのぼって行われますか?

実務上は直近の数事業年度から確認が始まることが多いのですが、法令上、税務署が更正や決定の処分を行える期間は原則として法定申告期限から5年間で、偽りその他不正の行為によって税額を免れていた場合は7年間とされています(国税通則法70条)。調査の過程で非違が疑われれば、事前通知された課税期間以外に確認が及ぶこともあります。

Q. 帳簿を預かりたいと言われたら、断ることはできますか?

帳簿書類等の留置き(預かり)は、納税者の理解と協力の下、承諾を得て行われるもので、一方的に留め置かれることはありません。業務で使う書類は、その旨を伝えて範囲を相談しましょう。預けたあと、返還を求めたのに待つよう言われて納得できない場合は、税務署長への再調査の請求または国税不服審判所長への審査請求という手段があります。

Q. 調査が終わった後は、必ず追加で税金を払うことになりますか?

いいえ、必ずしもそうではありません。指摘事項がなければ「申告是認」となり、その旨が書面で通知されて終了します。指摘事項があった場合は修正申告や更正となり、不足していた税額に加えて、内容に応じて加算税・延滞税がかかることがあります。指摘に納得できない場合は、不服申立てという手段もあります。

Q. 修正申告の勧めに応じないと、不利な扱いを受けませんか?

修正申告の勧奨に応じるかどうかは納税者の任意の判断で、応じなかったことで応じた場合と比べて不利な取扱いを受けることは基本的にありません。応じない場合は調査結果にもとづく更正処分が行われ、その処分に対しては不服申立てができます。反対に、自ら修正申告書を提出すると、その内容について不服申立てはできなくなります(更正の請求は所定の期間内であれば可能です)。

Q. 税理士に立ち会ってもらうことはできますか?

はい。税務代理権限証書を提出している税理士は、税務調査に立ち会うことができます。一方で、税理士以外の第三者の立会いは、守秘義務の関係から原則として認められません。調査官とのやり取りや指摘事項への対応を専門家に任せられるため、不安がある場合は、税務調査の対応経験が豊富な税理士に相談することをおすすめします。

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