税務調査の指摘に納得できない時は?再調査の請求・審査請求の流れ

税務調査の不服申立て手続きのイメージ
税務調査の指摘に対し修正申告をせずに不服申立て、訴訟を起こすまでの流れについて解説します。

納得がいかない場合の手続きの流れ

税務調査での指摘に納得した場合は、修正申告をして追加納税をします。修正申告をすることは間違いを認めたということになりますので、提出後は税務署に対し不服を申し立てることはできません。 したがって指摘にどうしても納得できない場合は、修正申告をしないことです。修正申告を拒否すると税務署は追加納税額の更正処分通知を送付してきます。さらに更正処分の内容に納得しない場合は、不服申立て手続きに入ります。 平成28年(2016年)4月1日施行の行政不服申立法改正により、手続きの名称と内容が変わっています。現在の選択肢は次の2つです。
  • 再調査の請求(旧・異議申立て)を経てから審査請求へ:まず税務署に再調査を求め、その結果に不服であれば国税不服審判所へ審査請求。
  • 直接審査請求:再調査の請求を経ずに、はじめから国税不服審判所へ審査請求する。
令和6年度は審査請求全体3,537件のうち2,463件(69.6%)が直接審査請求で、再調査の請求を使わずに最初から審判所へ申し立てる納税者が多数を占めています。再調査の請求と審査請求は行政手続で、不服申立て手続きと総称されます。税務訴訟は司法手続で裁判所で審理されることになります。

再調査の請求(旧・異議申立て)

税務署が行なった更正処分に対して不服として処分の取消しや変更を求めます。更正処分通知を受けた日の翌日から3か月以内(平成28年4月改正で旧2か月から延長)に行わなければなりません。税務署は再調査を行い、却下・棄却・取消し/変更いずれかの結果を出します。

審査請求

再調査の請求が却下または棄却された場合、国税不服審判所という国税庁の付属機関に審査請求を行います。再調査の請求の結果が出た翌日から1か月以内に行う必要があります。また、再調査の請求を経ずに直接審査請求することも可能で、その場合は処分通知を受けた日の翌日から3か月以内に申し立てます。税務署だけでなく税理士・弁護士など第三者も判断に加わり、中立的な審理が行われます。

税務訴訟

国税不服審判所の審査請求で却下された場合、その結果を知った日から6か月以内に裁判所での訴訟手続きを行います。行政を相手取った通常裁判になりますので、弁護士が訴訟代理人となり、相当の時間と費用がかかります。

不服申立てや訴訟を起こして勝てるのか?

税務署の指摘に納得せずに不服申立てや訴訟を提起して勝てるのかどうかは気になるところです。国税庁では毎年「令和6年度における再調査の請求及び訴訟の概要」などの資料でそのデータを公開しています。令和6年度(2024年度)の実績は以下の通りです。
処理済件数 請求認容件数 (全部または一部) 割合
再調査の請求 1,752件 91件 5.2%
審査請求 3,872件 693件 17.9%
終結件数 敗訴件数 (全部または一部) 割合
訴訟事件 最新の訴訟統計は国税庁の公表資料でご確認ください。(参考:国税庁「令和6年度における再調査の請求及び訴訟の概要」
再調査の請求の認容割合は5.2%にとどまる一方、審査請求では17.9%と高くなっています。また、審査請求は1年以内処理が99.4%と迅速化されており、利用しやすい制度になっています。すべてが通るわけではありませんが、しっかりとした根拠を示すことができれば、特に審査請求の段階では一定の可能性があるということができます。 裁判となると弁護士が必要になりますが、再調査の請求と審査請求は税理士が納税者の代理人となることができますので、不服申立てをすべきかどうかは税理士とよく相談して決めることをおすすめします。

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