指摘に納得できない時は?

税務調査の指摘に対し修正申告をせずに不服申立て、訴訟を起こすまでの流れについて解説します。

納得がいかない場合の手続きの流れ

税務調査での指摘に納得した場合は、修正申告をして追加納税をします。修正申告をすることは間違いを認めたということになりますので、提出後は税務署に対し異議申立てはできません。

したがって指摘にどうしても納得できない場合は、修正申告をしないことです。修正申告を拒否すると税務署は追加納税額の更正処分通知を送付してきます。さらに更正処分の内容に納得しない場合は、租税訴訟手続に入ります。租税訴訟手続とは異議申立て、審査請求、税務訴訟のことで、この順序で進めていくことになります。

異議申立てと審査請求は行政手続で、2つを合わせて不服申立て手続きと言います。税務訴訟は司法手続で裁判所で審理されることになります。

異議申立て

税務署が行なった更正処分に対して不服として処分の取消しや変更を求めます。更正処分通知を受けた日の翌日から2カ月以内に行わなければなりません。税務署は再調査を行い、却下、棄却、取消し・変更いずれかの結果を出します。

審査請求

異議申立てが却下または棄却された場合は、国税不服審判所という国税庁の付属機関に審査請求を行います。異議申立ての結果が出た翌日から1ヶ月以内に行う必要があります。税務署だけでなく税理士、弁護士など第三者も判断に加わります。

税務訴訟

国税不服審判所の審査請求で却下された場合、その結果を知った日から6ヶ月以内に裁判所での訴訟手続きを行います。行政を相手取った通常裁判になりますので、弁護士が訴訟代理人となり、相当の時間と費用がかかります。

不服申立てや訴訟を起こして勝てるのか?

税務署の指摘に納得せずに不服申立てや訴訟を提起して勝てるのかどうかは気になるところです。国税庁では毎年「国税庁レポート」という資料の中でそのデータを公開していますので見ていきましょう。2016年度の課税関係資料では以下の結果となっています。

処理済件数 請求認容件数
(全部または一部)
割合
異議申立て  2,427件  255件  10.5%
審査請求  2,793件  236件  8.4%
終結件数 敗訴件数
(全部または一部)
割合
訴訟事件 216件  17件  7.9%

すべてが通るわけではありませんが、しっかりとした根拠を示すことができれば、可能性は十分にあるということはできます。

裁判となると弁護士が必要になりますが、異議申立てと審査請求は税理士が納税者の代理人となることができますので、不服申立てをすべきかどうかは税理士とよく相談して決めることをおすすめします。

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