税理士とは

税務調査を税理士に依頼するメリットとは|役割・立会い・費用相場

税務調査の対応を税理士に依頼するイメージ
税理士の業務と税務調査の対応を税理士に依頼するメリットについて解説しています。

税理士の業務と税務調査での役割

税務調査対応を税理士に依頼する前に、そもそも税理士とはどのような業務を行うのかを知っておく必要があります。

税理士にできること

税理士の業務については税理士法の2条1項で1.税務代理、2.税務書類の作成、3.税務相談の3つに定められています。このうち税務書類の作成と税務相談に関しては、一般的に税理士が行う仕事としてイメージしやすい内容でしょう。では税務代理とはどういうことなのでしょうか。

税理士にしかできないこと

実は税理士の税務調査対応はこの税務代理業務に該当します。税務署に申告を代行することはもちろん、納税者の代理人として税務調査の際に主張や陳述を行ったり、またその処分に対して不服申立てができるのは税理士だけなのです。 仮に税務に関してすごく詳しい人が現れて、無償でやってあげると言われても、その人が税理士資格を持っていなければできないと法律で定められています。つまり税務調査が入って誰かに助けを求めたいという時は、税理士に相談することが唯一の方法というわけです。

税理士が税務調査対応を行うメリット

税務調査対応は必ず税理士に依頼しなければならないということはありません。法人の代表者または個人事業主が一人で対応することはできますが、ほぼ勝ち目はないでしょう。 毎年変わる税法や税務の知識が無ければ、調査官が納得するような反論ができないからです。では税理士に立会いや対応をお願いするとどのようなメリットがあるのか挙げていきましょう。
  • 税務調査の前に適切な準備を行うので、当日に大きなミスが発生しない
  • 税法をしっかり理解しているので、調査官とスムーズなやりとり・交渉が可能
  • 問題点を指摘された場合でも、スピーディな対応ができるので調査が長引かない
  • 調査官との交渉をすべて任せることができるので、精神的負担が軽減される
  • 不当な指摘については税法に基づき交渉するので、不要な追徴課税を回避できる
  • 調査後の修正申告や不服申立ての手続きなどについても対応してもらえる
税理士に依頼すれば報酬は発生しますが、本来納める必要のない追徴課税を納めることがなくなったり、自らが交渉しなくても無事に調査を終えることができるなど考えれば、メリットの方が大きいと言えるでしょう。

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税務調査は税理士に立ち会いを依頼すべきな理由

税務署による税務調査が行われる際は、原則として社長もしくは個人事業主本人が立ち会います。たとえ経理や会計がわからなくても立ち会わねばならず、わからない場合は当然質問に答えることはできません。そこで、税務調査が入る場合は本人以外に税理士に立ち合ってもらうことができます。税理士は他人の税務を代理できるため、税務調査の立ち合いも可能なのです。ただし、そのときは社長や個人事業主も一緒に立ち会わなければなりません。

税理士に立ち会いを依頼するメリット

税理士には立ち会う義務はなく、あくまで「立ち会いが可能である」だけなので、必ずしも立ち会わなければならないわけではありません。それなら依頼しない方が良いのでは?と思ってしまいますが、実は依頼したほうが良い場合が2つあります。1つは税金の負担を減らしたい場合、もう1つは税務署とのやり取りの負担を減らしたい場合です。

税金の負担を減らしたい

税務調査は「税金を正しく申告させるための指導」とされていますが、実際には追徴税額を取るという目的があります。ここで気をつけたいのは、税務調査でされた質問の答え次第では、経費として計上したものが認められないケースがあるということです。税務署は税金を取るのが仕事のため、正当な経費なのかを初めから疑ってかかります。事業で使っているから正当な経費だと説明したとしても、本当に経費なのかとしつこく質問してきます。あいまいに答えると経費として認められないだけでなく、追徴課税を取られてしまうことがあります。 そのため、税務署と交渉する場合は会計や税法の豊富な知識が不可欠です。しかし、税理士はその道のプロなので上手く交渉してくれます。もちろん報酬は必要ですが、その分のメリットはあります。

税務署とのやり取りを減らしたい

税務調査はスタートから終了まで時間がかかります。これは、当日に調査が入るだけでなく、帳簿や請求書などを持ち帰ってから細かい点を調べるためです。その後、内容や契約書の提示を求めたり、これは経費にならないといった指摘をしてきます。これらの質問や指摘は人によっては膨大になるため、これら全てに回答するには非常に苦労します。 税務署からの質問に全て答え終わると、「どのように終わらせるつもりなのか」を決めなければなりません。すなわち、税務署からの提案に対して、どれを認めて認めないかを判断する必要があります。この際、税務署の言いなりになると高い税金が課せられることがあるため、早く調査を終わらせることを意識しながらも、税負担がなるべく少なくなるような判断をしなければなりません。知識がない中で適切な判断をするのは至難の業のため、税理士へ任せることをおすすめします。

税理士を探すなら

税務調査が入るとわかった時点で税理士に依頼した方が得策と言えます。もちろん顧問税理士がいる方なら問題がありませんが、いない場合はご自分で探すことになります。最近ではインターネット上で探すことも可能です。知人からの紹介の場合は実際に自分に合った人かどうかはわからないうえ、たとえ合わなくても知人の紹介だから断りにくいということもあるでしょう。しかしインターネットで検索して見つけた税理士の場合は、ピンとこない場合は断れるので精神的に楽です。 また、注意したいのは全ての税理士が税務調査に詳しい保証はないということです。税理士試験では、税務調査に関する詳しい知識が問われるわけではありません。そのため全員が税務調査に強いわけではなく、中には苦手とする税理士もいます。依頼するときには、税務調査に慣れていること、経験があることを確認した方が良いでしょう。

税務調査を税理士に依頼する際の報酬とは

税理士の対応内容と報酬

先述しましたが、税理士に対応を依頼できる内容は大きくわけて「税務調査」「書類作成」「税務相談」の3つになります。そのなかでも特に重要なことが「税務調査」。申告内容の正確さや妥当性が求められる、非常にセンシティブな作業になります。 税務調査はおもに「準備調査」「実地調査」の2段階に分かれており、さらに、実地調査は「一般調査」「現況調査」「特別調査」「反面調査」の4つに分類されます。 これらの調査を踏まえて、もし誤りなどがあった場合には、修正申告の作業をする必要があり、さらに追加で納税をしなければならないこともあります。

税務調査の税理士費用の相場

税務調査にかかる税理士の報酬は、調査にかかった日数分ごとに算出されることがほとんどです(税理士によって異なる可能性あり)。また、もし修正申告を行う必要があった場合には、別途料金がかかります。その大まかな相場は以下のとおりです。
  • 税務調査にかかわる立ち合いの報酬:3~5万円(1日)
  • 修正申告の報酬:10~20万円
ただし、税理士と顧問契約をしている場合には、契約金としてあらかじめ支払っているお金以外の費用が発生しないことがほとんどです。くわしくは最寄りの税理士に確認をとっておくといいでしょう。なお、上記はあくまで一般的な目安であり、調査の規模や日数、修正申告の有無、事務所の方針によって料金は異なります。

税理士への依頼を検討したほうがいい理由

会社の中でできることは会社の中で完結した方がいいというのは考え方として間違ってはいませんが、専門性の強いものであれば専門家に任せてしまったほうが楽であり、業務の効率化にもつながります。特に税務に関することは、素人には手に負えない部分があるため形を整えることはできたとしても、いざ税務調査が入ることになった時に大変な労力を割くことになってしまうかもしれません。 そのため、税務のような専門性の高い業務に関しては税理士に任せたほうが、企業としても安心して本来の業務を行うことができるでしょう。そこで疑問となってくるのが、税理士というのは一体何をしてくれる存在なのかということですが、一言でいえばその名前の通り税務に関することを全般を代理で行ってくれます。 確定申告をするための書類の作成をしてもらうことや、確定申告そのものを代わりに行ってもらうことも可能です。それだけでなく税務に関する相談もできますから、どこまでが経費として認められてどこまでが認められないのかということもアドバイスしてくれる存在となります。 そして、税務調査が入ったときに対応してくれることも税理士に依頼をする大きなメリットとして挙げることができるでしょう。確定申告の書類の作成や確定申告自体は一個人でもそれほど難しい作業ではないため、ここまでは会社の中で完結させることも可能だと思います。しかし、税務調査の対応というのはとても素人の手に負えるものではなく、調査に入られてしまい税務署の相手をすることになるとそれだけで業務に支障が出てしまうことが考えられます。 何もやましいことがなくても、適切な会計処理をしていたとしても税務調査に素人が付き合うというのは非常に大きな労力がかかってしまいますし、対応を誤れば支払わなくて済む税金を取られてしまうという可能性も出てきます。税務署は企業の敵ではありませんが、企業として活動をしている以上は税務を正しい知識を持って正しい処理をしていると見てきますから、適切な対応をすることができなければ追徴課税という最悪の事態に繋がってしまうかもしれません。 また最悪の事態にならないにしても、税務調査に入られてしまい会社の中のリソースを調査に割かなければならないという負担は非常に大きく、調査が入っているうちはスムーズな業務を行うことができずに支障が出てしまうでしょう。そのような時に専任の税理士がいれば、専門の知識を持った人が税務調査に対応をしてくれるため業務に支障が出ることなく、また調査の協力もスムーズに行うことができます。日頃から税務などに関して相談し、税理士にも企業の内情というものを知ってもらうことで、いざ税務調査が入った場合でも、申告の内容が正しいのか確認するだけで終わるため余計な時間を取られてしまうということはありません。 税務調査に入られる可能性というのは決して高くはありませんが、いざ入ったときの負担というのは税理士がいるかいないかによって大きく変わってくるでしょう。また、税理士がいない場合に会計処理で誤りがあった場合、結果として調査が入りやすくなってしまう可能性もあるだけに、税務に関することは会社の中で完結をしようとせずに、専門家に任せてしまったほうがメリットは大きいといえます。税務や会計業務というのはそれ自体が会社に利益をもたらすものではありませんから、余計なリソースを割いて業務に支障をきたすようなことがあるのであれば素直に税理士に相談をしておいたほうが企業にとってはプラスだといえるのです。 コスト削減は会社にとって最優先課題のひとつですが、税務に関してはお金をかけて税理士に依頼をすることによってトータルでコストを抑えることができるという考えを持っておくことも大切でしょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 税務調査には必ず税理士に立ち会ってもらわないといけませんか?

A. 義務ではありません。法人の代表者や個人事業主が一人で対応することもできます。ただし、税法の知識がないまま調査官と交渉するのは負担が大きく、受け答え次第では本来認められる経費が否認されることもあるため、税理士の立会いを依頼する方が安心です。

Q. 顧問税理士がいなくても、税務調査だけ依頼できますか?

A. できます。税務調査が入るとわかった時点でスポット(単発)で依頼できる税理士事務所もあります。その際は、税務調査の対応経験が豊富かどうかを確認してから依頼すると安心です。

Q. 税理士なら誰でも税務調査に強いのですか?

A. いいえ。税理士試験で税務調査の実務が詳しく問われるわけではないため、得意・不得意があります。依頼前に税務調査の立会い実績・経験を確認しましょう。

Q. 費用をかけてでも依頼する価値はありますか?

A. 報酬は発生しますが、不当な追徴課税を避けられたり、調査対応にかかる時間と精神的負担を大きく減らせたりするため、結果的にトータルのコストを抑えられるケースが少なくありません。

税務調査に強い税理士の選び方|見分け方とチェックポイント

税理士に税務調査の対応を相談するビジネスシーンのイメージ
税務調査に強い税理士と、そうでない税理士の違い、そして失敗しない税理士の選び方を、現場対応に精通した専門家の視点で解説します。

税理士でも税務調査に強い・弱いがある

税務調査が入った際に、現場で立ち会い、顧客に代わって説明や交渉を行うのは税理士の重要な仕事の一つです。しかし、税務調査の結果は対応した税理士によって変わってくるのが実情です。すべての税理士が税務調査に詳しいわけではなく、力の差があるからです。税務調査の対応には、税法の知識だけでなく経験や折衝力が必要になります。 税務調査に強い税理士とは、納税者の立場に立って調査官の指摘に適切な理由を説明し、証拠書類を示しながら主張すべき点を主張できる税理士です。逆に弱い税理士は、調査官の指摘にほとんど反論せず押し切られ、言われるままに修正申告を進めてしまいます。 こうした差が生まれる背景には、税務調査の経験の多寡があります。そもそも税理士試験に「税務調査」という科目はなく、年間数十件の調査をこなす調査官に対しては、相応の経験と折衝力がなければ対等に渡り合えないのです。

税務調査に強い税理士を見分ける方法

税務調査に強い税理士を探すには、まず税理士事務所の公式ホームページで、業務内容や税理士の経歴を確認することが第一歩です。業務内容やサービスメニューのページを見れば、税務調査対応に積極的かどうかがわかります。そのうえで、本当に強いかどうかを見分けるポイントを紹介します。

税務訴訟の「補佐人」経験がある

税務訴訟の補佐人とは、税理士法第2条の2に基づき、租税に関する事項について裁判所で、訴訟代理人である弁護士とともに出頭し陳述できる制度です(条文上の正式名称は「補佐人」です)。 税務調査の指摘に不服がある場合、多くは税務訴訟の前に再調査の請求や審査請求で解決を図るため、訴訟まで進む件数自体は多くありません。それだけに、補佐人としての経験がある税理士は、税務調査対応を数多くこなしてきた実績が豊富な税理士と考えられます。

税務調査対応を専門にしている

税理士事務所のほとんどは、税務相談・決算・申告手続きを主たる業務としています。「税務調査対応」と書かれていても、調査が入ったら対応する程度のスタンスのところも少なくありません。 一方で、税務調査対応に特化していたり、専門部署を設けていたりする事務所もあります。一般的な事務所が年間2〜3件程度の対応にとどまるのに対し、専門の事務所はその何倍もの件数を引き受けており、交渉力やノウハウに優れている傾向があります。 >>税務調査に強いおすすめ税理士事務所を見る

まだまだある、税理士選びで押さえるべきポイント

会社経営において、税理士とのお付き合いは切っても切れないものです。ある程度の規模の会社なら、会計ソフトを使って経理担当者が日常業務をこなせることもあります。しかし、普段の業務とは一線を画すのが税務調査です。この調査への対応を誤ると、会社として大きな痛手を被ることになるため、税理士を選ぶ際は「税務調査に対応してもらうこと」を念頭に置く必要があります。

税務調査は事前に防げる?

税務調査とは、適正な申告をしているか、不正な手段で納税を逃れていないかを、税務署の調査官が確認するものです。最善策は「そもそも調査のターゲットになりにくくする」ことから始まります。調査の対象になりやすいのは、「売上が増えているのに利益が減っている」「経費が不自然に増えている」「現金決済が多く売上の把握が難しい」「内部告発があった」といったケースです。 こうした疑われやすい経理上の挙動は、できるだけ少なくしておくことが望ましいものの、売上や経費はそうそう大きく動かせるものではありません。また、特に疑わしい点がなくても、公平性の観点から調査が入ることもあります。調査そのものを完全に防ぐことは難しいのですが、日々の書類作成や申告の段階で、税務署に目を付けられにくい状態を保ち、調査が入る可能性を下げることは可能です。こうした対策を手助けしてくれる税理士かどうかが、選び方のポイントになります。

普段の業務で備えておく

税務調査は通常、数日前の事前通知を経て行われます。ただし、悪質な脱税が疑われる場合や、飲食店など現金決済が多く証拠をつかみにくい場合などは、通知なしの調査が行われるケースもあります。いずれにせよ、税理士には調査中に立ち会い、調査官の質問に適切に答え、会社にとって不利益が小さくなるような対応が求められます。そのためには、普段から会社の状況を熟知し、必要な書類や情報がどこにあるのかを把握できるよう、密に連絡を取ってもらうことが大切です。コスト削減のために記帳を安価な外注先に任せきりにしている事務所では、会社の実情を把握できず、調査官に的確な返答ができないおそれがあります。事務所選びでは、この点にも注意するとよいでしょう。

法律・税制に強いこと

法律や税制に強い税理士の特徴の一つが、前述の「補佐人」として対応してくれるかどうかです。補佐人として対応してくれる税理士であれば、万が一、税務に関することで裁判になった場合でも、弁護士とともに裁判所に出頭して陳述してくれます。 また、対応するだけでなく、普段から税務調査に関する法律や判例を研究し、「法律論」を学んでいる税理士を選ぶとよいでしょう。法律・判例に詳しいほど、税務調査で調査官を説得しやすくなります。

税務調査の実績数

税法や法律論に詳しいことはもちろん、税務調査への立ち会い経験が豊富かどうかが重要です。一般的な事務所の立ち会い件数が年に1〜2件程度であるのに対し、立ち会いを多く経験している事務所では、税務調査シーズンに月10件以上のこともあるようです。調査官側が月に数件程度を担当することを考えると、その経験量の差は小さくありません。 立ち会い経験の多い事務所は、調査の典型的なパターンを熟知しており、それに対抗する法律論を組み立てて、調査を有利に進めてくれます。

交渉力

税務調査に強い税理士の特徴として、交渉力も欠かせません。論点が明確になるように動いてくれる税理士であれば、調査がいたずらに長引くことを防げます。交渉力の高い税理士は、明らかに是正すべき点は素直に認め、正当な節税については根拠を示して主張し、見解が分かれる部分は調査の後半でまとめて交渉する、といったメリハリのある進め方をしてくれます。

税務署OBなら強い?

「税務署のOBだから税務調査に強い」という売り文句を聞くことがあります。調査をするのは税務署の人間ですから、在籍していた人はその手法や進め方をよく知っている、という理屈には一定の説得力があります。 ただし、少し注意したい点もあります。税務署などで一定年数以上、税務や会計の事務に従事した人は、税理士試験の一部科目の免除を受けられる制度があります(税理士法第8条等)。そのため、税務署OBは調査の内側を知る一方で、試験科目の免除を受けて税理士になった人もいます。OBであることだけで判断せず、所属事務所のホームページなどで経歴や実績を確認し、肩書きに惑わされずに選ぶことが大切です。 会社にとって税務調査は突然やってきます。そこで不正(意図しないものであっても)が見つかれば、取引先やメインバンクにまで照会が及び、信用を大きく損なうおそれがあります。また、一度問題が見つかると、是正状況の確認のためにしばらくマークされ、数年後に再び調査が入る可能性も高いといわれます。最初にミスをしないことが肝心ですから、費用だけにとらわれず、しっかり対策を立てられる税理士を選ぶことが、長い目で見て会社の利益になるでしょう。

税理士選びのチェックポイント早見表

確認する観点見るポイント確認の方法
調査対応の専門性税務調査対応に特化・専門部署があるか公式サイトの業務内容
立ち会い実績年間・月間の立ち会い件数実績紹介・問い合わせ
法律への強さ補佐人としての対応・判例研究経歴・サービス内容
交渉力論点整理と折衝の進め方初回相談での説明
会社理解記帳を丸ごと外注していないか記帳・連絡体制の確認

よくある質問(FAQ)

Q. 顧問税理士がいても、調査専門の税理士に別途頼める?

A. 可能です。顧問税理士が税務調査の経験に乏しい場合、調査の立ち会いだけを経験豊富な税理士に依頼する(スポット対応)こともできます。顧問税理士と連携できるよう、早めに相談しておくと安心です。

Q. 税務署OBの税理士は避けたほうがよい?

A. 一概には言えません。調査の進め方を熟知している強みもあります。大切なのはOBかどうかではなく、税務調査の立ち会い実績・法律論への強さ・交渉力です。経歴と実績の両面で確認しましょう。

Q. 費用が安い事務所を選んでも大丈夫?

A. 料金は重要な要素ですが、税務調査では対応の質が結果を大きく左右します。記帳を安価な外注に任せきりで会社の実情を把握していない事務所は、調査官に的確な返答ができないことがあります。費用と実績のバランスで判断しましょう。

税務調査のコツ|やってはいけないこと・準備すべき書類を専門家が解説

税務調査に備えて帳簿や書類を整理する様子のイメージ
税務調査を受けるときの心得と、当日までに準備しておきたい対応のポイントを、税務調査の現場に精通した専門家の視点で整理しました。正しく備えれば、調査は決して怖いものではありません。落ち着いて対応するための要点を確認していきましょう。

まず押さえる「やってはいけないこと」

税務調査には強制調査任意調査がありますが、よほど悪質な脱税の疑いがある場合を除き、実施されるほとんどは任意調査です。「任意」とはいっても、正当な理由なく調査を拒否することはできません(受忍義務)。調査当日までの準備が欠かせませんが、その前に「やってはいけないこと」を押さえておきましょう。

調査を受ける側のNG行動

調査の拒否のほか、妨害や忌避も認められません。調査官の質問に答えない、偽りの答弁をする、嘘の記載や記録のある帳簿書類を提出する、といった行為も同様です。これらを行うと、国税通則法第128条により「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」が科される可能性があります(質問検査権に対する不答弁・虚偽答弁・検査の拒否等)。 なお、2025年6月1日に施行された改正刑法で、従来の「懲役」は「拘禁刑」に一本化されました。古い記事や書籍では「1年以下の懲役」と書かれていることがありますが、現在の条文上の表記は「拘禁刑」です(罰金額に変更はありません)。

調査する側のNG行動

調査する側にも、やってはいけないことがあります。調査官が税務調査を行えるのは質問検査権の範囲内とされており、相手を拘束したり、勝手に差し押さえをしたりすることはできません。また、事業に無関係の私物や自宅については、本人の同意がない限り検査することはできません。 会社に私物を置いていると、調査の流れのなかで目に触れてしまうことも考えられます。事業に関係のないものは自宅に持ち帰っておいたほうが安心です。

主な調査項目と対応のポイント

税務調査で質問される項目は、ある程度決まっています。次のような内容で事前に調査のシミュレーションを行い、必要書類を準備したり、質問に速やかに答えられるようにしたりしておくことが重要です。

会社や事業の概況

会社の経営全般の状況や、日常業務の流れについて質問されます。会社案内や組織図、商品案内などの資料を用意し、具体的に説明できるようにしておきましょう。

売上処理

受注してから売上が計上されるまでの流れについて質問されます。計上のタイミングが曖昧な説明にならないよう注意し、注文書・納品書・請求書が流れに沿って発行され、自社の基準どおりに売上が計上されていることがわかる資料を用意します。

仕入・外注処理

取引日が明確にわかる仕入や外注費に関する書類を準備しておきます。金額に正当性があることを説明できるよう、根拠を明らかにしておくことがポイントです。

現金管理

現金出納帳と、金庫などにある現金残高が一致しているかを確認されます。机やロッカーなどに簿外の現金があると不正な処理を疑われるため、そうしたことがないよう調査当日までにチェックしておきます。

人件費

架空の人件費が計上されていないか、支払い方法はどうなっているか、などが調査されます。社員名簿・タイムカード・源泉徴収簿・給与の振込がわかる通帳などの証拠書類を用意しておきます。

関連会社との取引

関連グループ会社間の取引で売上が操作されていないかが調査されます。契約書や議事録などを用意し、取引や金額の妥当性を説明できるようにしておきます。

その他の経費

交際費や家電製品の購入費など、公私混同が起きやすい項目は重点的に調査されます。目的・金額の妥当性・時期などを明確に答えられるよう、領収書などの証拠書類をそろえておきましょう。

調査項目と準備書類の早見表

当日あわてないために、調査項目ごとに「何を確認されるか」「何を用意しておくか」を整理しておくと安心です。
調査項目確認されるポイント用意しておく主な書類
事業の概況経営状況・業務の流れ会社案内・組織図・商品案内
売上処理計上のタイミングと正確性注文書・納品書・請求書・売上帳
仕入・外注取引日と金額の正当性仕入・外注の請求書・契約書
現金管理帳簿残高と実残高の一致現金出納帳・金種表
人件費実在性・支払の事実社員名簿・タイムカード・源泉徴収簿・通帳
その他経費事業との関連性・公私の区分領収書・利用目的のメモ

場面別・税務調査のよくある疑問(FAQ)

Q. 調査の連絡が電話で来たら、まず何をすればよい?

A. 多くの任意調査は、事前に税務署(または税理士を通じて)から日程調整の連絡があります。慌てて即答せず、顧問税理士がいれば必ず共有し、立ち会いを依頼しましょう。日程は業務の都合に応じて相談できます。

Q. 調査は何年分さかのぼって行われる?

A. 一般的には直近3年分が中心ですが、申告内容に応じて5年分、偽りその他不正の行為(仮装・隠蔽)がある場合は最大7年分まで対象になり得ます。日頃から帳簿と証憑を整理しておくことが最善の備えです。

Q. その場で答えられない質問をされたら?

A. 推測で曖昧に答えると、かえって誤解を招きます。わからないことは「確認してから回答します」と伝え、後日正確に回答すれば問題ありません。無理に取り繕わないことが大切です。

Q. 指摘を受けて修正する場合は?

A. 誤りが見つかった場合は修正申告を行うのが一般的です。内容に納得できないときは、税務署の更正処分を待ち、不服があれば再調査の請求・審査請求といった手続きで争うこともできます。判断に迷う場合は税理士に相談しましょう。

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