税務調査の事例

事業税の不安を解消!ポイントと注意点はこれ!

会社を経営している場合や個人で仕事をしている場合は税金がかかりますが、基本的には税理士にお願いをしているためあまり詳しいことを知っている人は少ないのが現状です。

しかし、税務調査などが入る場合もあるため基本的なことを知っておくことは大事になります。

事業税とはどんなときに徴収される?

税金を納めることが必要になりますが、会社や個人事業主が納める税金の中に事業税が存在します。事業税とは、事業を行っている法人あるいは個人に対して課せられる税金の一種になります。基本的に法人の場合は所得税と法人税以外に法人事業税が課せられますが、これらのうち所得税は国に対して支払う税金になります。それ以外の2種類は地方自治体に支払う税金のため、少し種類が違うことがポイントです。

事業税が徴収されるときは、単に業務を営んでいることが条件ではありません。例えば会社を設立したばかりでまだ売り上げがほとんどない事業主に対して税金を取るのは酷になります。基本的に売り上げがあり、黒字になっている状態ならば徴収されます。そのため、まだ会社を経営し始めたばかりのころのように赤字の間は事業税のことを考えなくても問題ありません。

申告をする場合には、毎年3月15日までに事業所がある都道府県に申告書を提出する必要があります。

株式会社の設立をしている場合ではなく個人の仕事をしている場合であれば、事業税が課税される対象になるのは所得が290万円以上ある場合になります。それ以外の場合は課税される可能性はないため、安心してよいでしょう。

もし、顧問の税理士などがいれば顧問税理士に依頼してしまうのが普通のため、事業主自体が細かい計算をする必要がありませんが、個人で事業を行っている場合の多くはわざわざ税理士をつけていることはあまりありません。そのような場合には、自分で税務署に行き申告をする必要があります。

申告していない場合は、脱税扱いになるため注意が必要です。実際にうっかり忘れてしまい申告をしていない人もいますので、この時は税務調査が実施されることになります。税務調査を行うときは、国税庁の管轄にある税務署が行うことになるため、税務調査の準備をしておく必要が出てくるでしょう。

事業税の税務調査のポイント

会社を所有している場合には、事業税の税務調査を受けることもありますが、必ずしもすべての会社が毎年税務調査を受けるわけではありません。基本的に税務署の人間も数が限られているため、すべての会社の税務調査をすることは物理的に不可能になります。そこで、税務調査をするときには一度にすべての会社で行うのではなく、一つの会社に対して数年に一度だけ行うような頻度になるのが普通です。

個人事業の場合でも税務調査が行われることもありますが、税務調査が入りやすい職種とそうでない職種があります。例えば、風俗店だったり、クラブなどのように大人が通うようなお店だったりは税務調査が入りやすいのが特徴になります。

またインターネットビジネスの代表格といえるアフィリエイトをしている人のネット収入も税務調査の対象になりますので、インターネットのビジネスだから大丈夫と考えずにしっかりと申告しておくことが大事です。なぜインターネットビジネスで税務調査が行われやすいのかといえば、基本的にインターネットビジネスは経費がかからないからです。経費がかかりにくいにもかかわらず、経費が多いところは少し怪しいと考えるでしょう。ちなみにあまり知られていないことですが、税務署にはインターネット収入専門の税務調査官が存在しています。

さらに、所得が多い場合も税務調査が入りやすいと考えて間違いありません。例えば、個人で事業を行っているにもかかわらず2000万円の収入を得ている場合には、事業税の税率が上がり易いためしっかりとした徴収をしたいことが理由でしょう。

もう一つは所得が多いことにより、たくさんの情報を得ることができる可能性があるからです。所得が多い個人利用の場合は一度税務調査をするとたくさんの情報を得ることが可能です。

株式会社の場合は、所得が多いことと黒字のところはマークされ易いため注意が必要になります。

事業税の税務調査の注意点

事業税の税務調査をする場合の注意点の一つは、新規で税理士を利用することのメリットがあまりないことです。基本的に、普段から顧問税理士として依頼している場合であれば特に問題ないところですが、税務調査のお知らせが来た時に急いでなじみのない税理士と相談してもあまり役には立ちません。仮に課税が増えた場合でも、税理士を使えばその金額を減少させることができる可能性は少なくなります。確かにかつては、税理士を利用することで増えた課税を減らすことができたかもしれません。ですが、最近はそのようなことがなく、税理士頼みにするのはあまり得策とは言えません。

税務調査の注意点のもう一つは、任意調査と強制捜査の2種類があることを知っておくことです。任意調査とは、通常実施されている調査のことを意味し、資本金が1億円未満の場合は税務署が調査を行いますが、それ以上の資本金を持っている場合は国税局が調査を行います。

これに対して強制調査とは、国税局査察部が直接行う捜査で巨額の脱税などが発覚している場合に行う調査です。この調査自体は検察庁に告発することを目的としているため、普通に営業している会社や個人事業主の場合にはまず関係ないといってよいでしょう。

税務調査を行う場合には、突然税務官が数人ぞろぞろとやってくるのではなく、事前に連絡をするのが普通になります。この場合には、前日に連絡するようなことはまずありません。通常であれば、10日以上前に連絡を行いますので時間的な余裕は十分あります。ただし、ごくまれに事前通知をしないで来ることがありますので、この場合には断ることができることを知っておきましょう。また、顧問の税理士が出る場合には、必ず顧問税理士に連絡をして相談することが大事になります。断ることもできますが、その場合には明確な理由が必要になる上に、振替の日程を決めたうえで延期をするべきです。

印紙税のここが大切!注意するべき点を抑えよう!

税金は身近なものですが、なかなか理解をするのが難しく興味を持とうとする人も少ないのが現状です。ただ、会社経営や個人事業をするとなれば印紙税や税務調査のことを知っておく必要があるでしょう。そこで、税務署からの調査や税金の意味や役割をみていきます。

今さら聞けない!印紙税って何?

印紙税の存在は知っていても、なかなかその意味や役割を理解している人は少ないかもしれません。そこで、印紙税の基本を知っておく必要があります。収入印紙とは、領収書などに貼るものですがこれを別名印紙税といい、国の税金の一つです。

取引をしてお金が動くときに出てくるのが印紙ですが、この印紙は国が発行しているものになりますので、印紙が貼り付けてある領収書などがある場合は国が保証している取引ともいえます。つまり、国の信用保証料として印紙を張り付ける代わりにそれを税金として国が受け取るわけです。

とはいえ、普段の買い物すべてに収入印紙をはりつけるわけではありません。印紙をはり付ける場面は決まっており、領収書の場合であれば5万円以上の売買をした時には張り付ける必要があります。ちなみに平成27年3月までは3万円以上で収入印紙が必要でしたが27年4月に法律が改正され5万円以上になったわけです。

手形を扱う人はあまり少ないですが、約束手形や為替手形などにおいては金額を書き込んだ段階でお金が発生し収入印紙をはらなければなりません。どれぐらいの収入印紙になるかが問題となりますが、書き込んだ金額によって変わります。

不動産譲渡をする場合にも契約書を交わしますが、この契約者にも収入印紙をはりつける必要が出てきます。不動産を購入する時には、諸費用がかかりますので当然諸費用の分もお金を用意しておかなければなりません。諸費用の内訳をよく見てみると、収入印紙代が含まれているのがわかります。この収入印紙とは、不動産譲渡の契約者が貼り付けるものです。

会社経営をしている人は時として業務委託をすることがありますが、業務の契約期間によっては収入印紙を必要としています。基本的には3カ月以上業務を委託する場合や代理店契約をする場合には一律で4000円の収入印紙が必要です。それ以外には、会社設立時に利用することもあります。

印紙税の税務調査のポイント

収入印紙は税金の一つですので、必ず納めなければなりませんが、本当に税金を納めているかどうかを調べるために、会社や個人事業主の元には税務調査が時折やってきます。税務調査の目的は、その会社や個人事業主が本当に税金を納めているかどうかを調査することですが、わざわざ調査をする理由は実際に調査をすると20%ほどの会社は正確に税金を納めていないことが多いからです。そのため、税務署の方でも定期的に調査を行い適切な税金を納めてもらうように協力を仰ぐわけです。

税務調査をする人は税務署の人になりますが、通常は数年に一度になります。どれぐらいの頻度で税務調査をしているかは一言で説明はできませんが、おおむね8年から10年に一度ぐらいは調査が来ると考えて間違いないでしょう。

当然、印紙税の支払いがしっかり行われているかの調査もしますので収入印紙だからと言って軽く考えないようにしましょう。税務調査をする場合には、事前に連絡をよこすことが多いですが、時折突然やってくることもありますので油断禁物です。ただ、アポイントメントなしにやってくる場合には、調査を断ることも可能になりますので、断ってもペナルティなどはありません。ただ、2回目からは断ることができないため注意が必要です。

どのような場合に税務調査が入りやすいかといえば、まず黒字の会社になります。なぜ赤字の会社よりも黒字会社の方が調査を頻繁に行うかといえば、赤字会社の場合には赤字の部分の税金を取ることができないからです。もちろん、消費税は発生するためその分の調査を行うことはあるかもしれませんが、確率としてはそれほど高くありません。

それ以外には、消費税の還付を受けた会社や売り上げが急増している会社などが狙われます。特に、突然売り上げが急増した会社は、脱税している可能性もあるため税務調査をする可能性が高いと考えて間違いありません。

印紙税の税務調査の注意点

印紙税の税務調査をする場合には、税理士をつけておくとよいですが、普段からかかわりがある場合にはそれほど心配する必要はありません。ですが、それ以前に税理士とあまりかかわりがない場合に、突然税務調査のために依頼したとしても課税が軽減されるわけではないことを知っておきましょう。もしそのたびに税金の支払いが軽減されていたならば、初めから税理士をつけているメリットがないからです。

印紙税に関して言えば、調査をするときには告知をする必要はありません。それ以外の所得税や事業所得税などの場合は事前に告知しなければなりませんが、印紙税だけは例外的に扱われています。ちなみに、税理士を使う場合でも印紙税に関して、税理士は手出しすることができないため、印紙税に関して相談してもあまりメリットはありません。

ただそんな場合でも、税務調査を行っている税務署の職員から税理士に対して意見を求められる場合もあります。なぜこのようなことがあるかといえば、その一つの理由はそもそも税務署の職員が税理士の権限をわかっていないからです。税務署の職員は、印紙に関する調査権限がないことを知らない可能性があります。このようなときに、うっかり印紙税の話しをしてしまうことがあるでしょう。

もう一つは、事実を知っていながら立ち会いを求める可能性があります。税務署員としても経営者に直接相談しても税金のことはわからない可能性があるため埒があかないので、権限がないとわかっていながらも税理士に相談するわけです。

いずれの場合も、税理士は代理人として業務を行うと法律違反になるため手出しすることができません。ただし、代理人ではなく経営者の意見を税務署員にそのまま伝える場合には問題ないとされています。意見を伝えると代理人になってしまうので問題があると考える人もいますが、通常の解釈では代理人と考えずただの伝言と考えるわけです。

相続税編

相続税に関する税務調査で指摘されやすいポイントと具体的事例について紹介しています。

相続税についての注意点

相続税の税務調査はかなり高い確率で行われます。

相続税の申告数は毎年約50,000件あると言われますが、国税庁の資料によれば平成26事務年度での実地調査件数は12,406件となっており、4件に1件の割合で調査が入っています。

税務調査は相続財産の評価の正当性や申告漏れがないか確認する目的で行われますが、申告漏れが見つかるケースが約80%と非常に高くなっています。

調査で指摘を受けやすいのは被相続人の預貯金、生命保険、名義預金です。被相続人の預貯金では死亡直前の引き出し回数が多いと、本人以外が勝手に引き出していることを疑われ、目的や使途を問われます。生命保険は契約が家族名義になっていても、保険料を負担しているのが実質的には被相続人というケースが調べられます。この場合、被相続人死亡により発生する生命保険金が相続税の課税対象となるからです。

名義預金とは家族名義の預金のことですが、生命保険のケースと同様に単に家族の名義を借りているだけで、預貯金の所有者が実質的に被相続人となっている場合、その預貯金は相続財産と見なされ、相続税の申告をしなければなりません。

国税庁や税務署は被相続人の所得税の申告書を照会するだけでなく、金融機関への調査も行なって相続財産の実態を把握しています。税務調査が入る段階で申告漏れなどの有無がほとんどわかっていると考えてよいでしょう。

相続税に関連する税務調査の事例

相続税の税務調査はほとんどの場合、申告から1年~1年半の間に実施されます。以下に税務調査で申告漏れなどが見つかった実例を紹介します。

  • Aさんは他に家族もいなかったため亡くなった父親の財産を相続することになりました。父親から聞いていた財産は基礎控除額の範囲内だったので相続税の申告をしませんでしたが、税務調査が入って知らなかった父親名義の有価証券があることがわかりました。その結果、総額で基礎控除額を上回ることになり相続税の申告が必要になりました。
  • 被相続人である祖父は孫名義で銀行口座を開設し、毎年贈与の基礎控除となる110万円を超えないように積立をしていました。相続が開始された時点で預金額は数千万円になっていましたが、孫は銀行口座のことを知らず通帳や印鑑も祖父が管理していたため、税務調査で贈与は否認され、相続財産として修正申告を求められました。
  • Bさんは相続税申告をする際に被相続人の妻が名義となっている株式が5,000万円ほどあることを知りましたが、相続財産として申告していませんでした。税務調査の結果、印鑑は被相続人のもので妻が自由に株式を売買できる状況ではなかったことから相続財産と見なされ、修正申告をすることになりました。

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源泉所得税編

源泉所得税に関して税務調査で指摘されやすいポイントと具体的事例について紹介しています。

源泉所得税徴収についての注意点

法人税や所得税の税務調査の際には源泉所得税についての調査も同時に行われます。

所得税は本来、自分自身で申告して納めるべきですが、会社が所得を受け取る人の代わりに給料や個人に対する報酬から差し引いて納税しています。これを源泉徴収制度と言い、納税手続きを簡単にし、個人からの徴収漏れを防ぐ目的で行われますが、会社の義務と定められているため履行しないと罰せられることになります。

会社側ではこの制度については十分理解しているはずなのですが、非課税と考えていた項目が処理の仕方で課税対象となったり、源泉徴収すべきものがされてないことがあるので、税務調査ではそこを指摘するわけです。指摘を受けやすい項目としては食事代支給、社員に与える表彰金、社員旅行費、個人に支払うデザイン料や原稿料などがあります。

税務調査により源泉所得税に誤りが見つかった場合は、税務署から更正処分を受けることになり、それに基づき源泉所得税、延滞税などを納付しなければなりません。

源泉所得税に関連する税務調査の事例

源泉所得税の誤りは、計算ミスよりも会社の認識不足により正しく処理をしていないというケースが多くなっています。以下に代表的な事例を紹介します。

  • 従業員が残業した際に支給する食事は課税されないため、C社では食事代として現金を支給し福利厚生費として処理をしていました。ところが税務調査の際に現金での支給は給与の一部として見なされ源泉所得税を納付することになりました。
  • O社では遠方からの自家用車通勤者に対し、通勤手当とは別に高速券を渡していました。税務調査では現物の高速券も通勤手当の一部であると指摘され、通勤手当非課税限度額を超えた差額分が源泉所得税の課税対象とされ納付を求められました。
  • M社では永年勤続者表彰の記念品を、一定の金額の範囲内で選んでもらい、それを会社が購入して支給していました。多額なものではないので非課税扱いとして処理していたのですが、税務調査では品物が自由に選択できる場合は、支給された金銭で品物を購入したものと見なされ、非課税は認めてもらえませんでした。
  • 日本語学校に通っている中国人留学生を、S社はアルバイトとして雇い、月額5万円程度のアルバイト料を源泉徴収せずに支払っていました。税務調査の際に、日本語学校は専門学校に該当するので、日中租税協定での所得免税は適用されないとし、源泉徴収漏れを指摘されました。

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消費税編

税務調査で消費税について注意すべきポイントと具体的事例について紹介しています。

消費税に関する注意点

消費税の税務調査に関しては法人税や所得税の調査の際に一緒に行われることが多いですが、単独で行われるケースもあります。赤字でも消費税納付の義務はありますので注意が必要です。消費税は一番身近な税金なので簡単に考える方が多いのですが、経理処理は意外と複雑になっています。なぜならすべての取引が課税対象となるわけではなく、非課税や不課税のものが含まれるからです。

例えば、土地の貸し付けや住宅家賃に関しては原則非課税ですが、賃貸期間が1ヵ月未満の場合は課税になったり、国内出張の旅費・日当は課税仕入になったりしますが、海外出張は課税仕入になりません。また、前々年の課税売上高が1,000万円以下の個人事業主は消費税納付が免除になることはよく知られていますが、前年の1月1日から6月30日までの期間に課税売上高が1,000万円を超える場合は課税事業者に該当します。

このように課税非課税の区分について細かく知っておかなければならず、税法改正により取扱いが変わることがあるので専門的知識が必要になるのです。

消費税に関連する税務調査の事例

消費税に関して税務調査で指摘を受けるのは、納税者側で正しいと思って行っていた処理が実は間違っていたというケースが多くなっています。具体的にどんな事例があるのか紹介しましょう。

  • B社では同業者が集まる組合に加入して、毎月支払っている会費を消費税の課税仕入として処理していましたが、税務調査が入った際に対価性が無いという理由で、課税仕入に該当しないと指摘され修正申告をしなければならなくなりました。
  • Y社では消費税の仕入税額控除を受けるために、法人クレジットカードの請求明細書を保存していましたが、税務調査で販売会社が発行した請求書ではないので、仕入税額控除の要件を満たしていないと指摘されました。
  • 雑貨の卸売業者であるF社は、海外からの注文も受付けており、商品の輸出をしています。手続きが煩雑になるので、国内にある業者経由で販売をして代金の支払いも業者から受けていました。売上は輸出免税で処理をしていましたが、税務調査で輸出ではなく国内取引に該当するので免税にはならないと指摘がありました。
  • 消費税課税事業者になったばかりのG社は、取引先が倒産してしまったため、免税期間に発生していた売掛金が回収不能となり、貸倒れに係る消費税控除の申告をしました。ところが税務調査で免税期間の売掛金は消費税額の控除の適用にならないと指摘を受け修正申告を行いました。

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